成城大学

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ヨーロッパ文化学科

教員紹介

下田 和宣准教授

しもだ かずのぶKazunobu Shimoda

文芸学部 / ヨーロッパ文化学科
職位:
准教授
専門分野:
ドイツ哲学、文化哲学、宗教哲学
担当ゼミナール:
ドイツ語圏の思想と文化
主な担当科目:
WRD、ドイツ語(初級など)、ヨーロッパの思想講義Ⅰ(独)、ヨーロッパの思想演習Ⅰ(独)、ゼミナール(3年次・4年次)
最近の研究テーマ:
ドイツ文化哲学の展開と可能性(とくにブルーメンベルク)
研究内容:
 「文化哲学」と呼ばれる西洋哲学の伝統を追いかけながら、文化のなかで生きるとはどのようなことか考えています。具体的にはヴィーコ、ルソー、ヘルダー、ヘーゲルから、ジンメル、カッシーラーを経由して、とくにハンス・ブルーメンベルクへと展開する哲学者たちの著作を研究することで、わたしたち自身のあり方についての掘り下げた理解を目指しています。

 英語のculture(カルチャー、文化)という言葉は、「耕すこと」という意味のラテン語culturaに遡る単語です。人間は自然に手を加え、自分たちが生きやすいように世界を整えてきました。そうしてわたしたちが「つくる」という行為、あるいはわたしたちによってつくられた物事や世界のことを「文化」と捉えることができるでしょう。
 他方で文化はわたしたちが何かを見たり、物事を考えたりするための背景でもあります。つまり文化とは人間が「つくる」ものでありながら、人間がそこから「つくられる」ものでもあるのです。さまざまな歪みを生み出しながらも、過剰で過激なテクノロジーによって支えられている現代社会だからこそ、文化について徹底して考え、その本質を見極めるための力がますます必要となるに違いありません。
略歴:
京都大学 文学研究科 思想文化学専攻 宗教学専修
博士課程、2015年3月、研究指導認定退学、日本国
課程博士(文学、2018年3月取得)
ドイツ留学(ボッフム、キール)
主要業績:
[著書]
『宗教史の哲学——後期ヘーゲルの迂回路』、京都大学学術出版会、2019年
 2020年度日本宗教学会賞受賞
 第14回(2020年度)日本ヘーゲル学会研究奨励賞(単著部門)受賞

[共編著他]
伊原木大祐・竹内綱史・古荘匡義編『3STEP宗教学』、昭和堂、2023年(担当:終章「宗教学のこれから——「宗教とは何か」という問いを考え直す」)

[近年の論文]
Blumenberg in Japan. Rezeptionslage und Ausblick, in: Allgemeine Zeitschrift für Philosophie Beiheft 2. Theoretische Neugierde. Horizonte Hans Blumenbergs. Stuttgart-Bad Cannstatt: frommann-holzboog, 2023, S.287-296.
「二〇世紀後半ドイツにおける「哲学としての哲学史」の諸相——「概念史研究」プロジェクトとその周辺——」、日本ヘーゲル学会編『ヘーゲル哲学研究』、28号、2022年、30~42頁。
「事実をつくりあげる——宗教概念批判の観点からラトゥールの物神事実論を読む——(小特集:宗教概念批判と宗教哲学2)」、『龍谷大学社会学部紀要』、62号、2022年、129~139頁。
「文化哲学は今日においてなお可能なのか——ラルフ・コナースマンの問題設定——」、日本ディルタイ協会編『ディルタイ研究』、33号、2022年、43~58頁。
「文化の悲劇——ジンメルとカッシーラーをめぐる文化哲学的思考の分水嶺」、成城大学ヨーロッパ文化研究科編『ヨーロッパ文化研究』、41号、2022年、29~53頁。
「宗教の概念と生活の形式——タラル・アサドの哲学的コンテクスト(小特集:宗教概念批判と宗教哲学)」、『龍谷大学社会学部紀要』、59号、2021年、39~50頁。
「背景化する隠喩と隠喩使用の背景——ブルーメンベルクをめぐるひとつの哲学的問題系」、京都哲学会編『哲學研究』、606号、2021年、25~64頁。
「ブルーメンベルクにおける宗教受容の哲学」、日本宗教学会編『宗教研究』、399号、2020年、1~23頁。
「ヘーゲル絶対精神の哲学と現代実在論——あるいは現代の「ポスト・カント的」ヤコービ主義について」、日本ヘーゲル学会編『ヘーゲル哲学研究』、26号、2020年、60~72頁。

[主要翻訳]
ラルフ・コナースマン、『文化哲学入門』、知泉書館、2022年。
『ヘーゲル全集第15巻 自筆講義録I(1816-31)』、小林亜津子、山口誠一編、鈴木覚、嶺岸佑亮共訳、知泉書館、2020年。

詳しい業績・経歴についてはhttps://researchmap.jp/kazunobu_shimoda
所属学会:
日本哲学会、日本宗教学会、宗教哲学会、日本ヘーゲル学会、日本ライプニッツ協会、ヘルダー学会、Kulturwissenschaftliche Gesellschaft(文化学会、ドイツ)、Hans Blumenberg-Gesellschaft(ブルーメンベルク学会)