成城大学

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芸術学科

教員紹介

山下 純照教授

やました よしてるYamashita Yoshiteru

文芸学部 / 芸術学科
職位:
教授
専門分野:
演劇学
担当ゼミナール:
演劇学
主な担当科目:
芸術学基礎演習(演劇);演劇額一般講義;演劇学演習;卒論ゼミ(演劇学)
最近の研究テーマ:
劇における複合的時間構造;劇のナラトロジー;現代演劇における時間の形態学
研究内容:
劇の物語が始まると、その世界の時間は絶えず前進するのが基本だ。もちろん話題が遡って背景が明かされたり、「実は…」と過去の事件が暴露されることで筋が展開していく技法は古来ありふれている。しかし場面の時間軸そのものがフラッシュバックしたり、同一の場面の中に複数の時間軸が現れたりするのは20世紀以降の特徴だ。前者は映画のフラッシュバックとほぼ同時期に出現し、後者は20世紀後半になるまで例を見ない。劇におけるこうした複合的な時間構造という現象の総合的な研究は未開拓の領域であり、私は2020年からこの研究を開始した。このテーマへの方法論として有力なのがナラトロジー(物語論)であるが、小説をモデルとして展開したこの理論では、劇を扱うための道具立てが未発達であるため(映画についてはかなりの先行研究があるが、それとも異なる)、劇のナラロトジーの構築を同時並行でおこなっている。その上で複合的な時間構造の劇世界の多様性を包括的に論じることを目指していて、そのための方法論は模索中であるが、ドイツの詩人・劇作家・思想家ゲーテに由来する形態学Morphologieの概念を踏まえた近年の文化学の研究動向(キーワード:Formen der Zeit/Shapes of Time(時のかたち))に刺激を受けている。
略歴:
1985年 東京大学教育学部卒業
1991年 大阪大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学;大阪大学文学部美学科助手
1994年 千葉商科大学商経学部専任講師 
1998年 同助教授 
2007年 同教授
2009年 成城大学文芸学部/大学院文学研究科教授
主要業績:
2024.3. 閉じることで開く——前川知大『天の敵』における複合的時間構造の効果—— (『成城美学美術史』30)
2023.4. 劇における時間軸の移動——欧米戯曲の状況と、2000年以降の日本現代戯曲(瀬戸山美咲・大西弘記・岩井秀人の作品)における複合的時間のナラトロジー—— (『成城文藝』261)
2021.12.  劇におけるnarrativeの2重性・演示と<語り>・信頼できない語り(手)——岩井秀人『ある女』を例として—— (『成城文藝』257)
2020.3. 壊れていくクラインの壺 : 岩井秀人『おとこたち』にみる「舞台の語り」 (『美学美術史論集』 22石鍋真澄教授退任記念)
*これ以前の業績については ”山下純照 My Portal” で検索.
所属学会:
日本演劇学会;西洋比較演劇研究会;美学会;日本独文学会;国際演劇評論家協会日本センター