成城大学

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治療的司法研究センター

治療的司法研究センターについて

 治療的司法という言葉は英語のtherapeutic justiceの訳語ですが、刑事司法制度について犯罪を犯した人に対して「刑罰を与えるプロセス」と見るのではなく、犯罪を犯した人が抱える「問題の解決を導き、結果的に再犯防止のプロセス」と捉えようという考え方、すなわち治療法学(therapeutic jurisprudence)に基づく司法制度を指します。
 既に諸外国では、こうした考え方に基づいて実際の刑事司法がデザインされていて、そうした裁判制度は「問題解決型司法(problem solving court)」と呼ばれています。具体的には、薬物依存症者を対象にした「ドラッグ・コート(Drug Court)」や精神障害犯罪者を対象にした「精神障害者コート(Mental Health Court)」、DV加害者を対象にした「DVコート(Domestic Violence Court)」などが有名です。
 犯罪を行った人の中には法律で禁じられた行為に至るまでに、その生活で何らかの原因(各種の依存症)や生活上の問題を抱えている場合が少なくありません。そうした原因・問題を除去することができなければ犯罪を繰り返すこと、再犯に容易に至ってしまいます。もちろん刑罰による犯罪抑止効果を否定するものではないのですが、現在、世界各地で刑罰では抑止できない行為を色々な科学的知見に基づく治療法や解決法によって抑止する機会を司法制度の中に取り込む工夫が進められているのです。それこそが、治療的司法という考え方です。
 本センターはこうしたtherapeutic justice/therapeutic jurisprudenceについて調査や研究を専門に実施するわが国で初めて設立された研究機関です。
 また、本センターは、単独で調査研究を進めるだけではなく、治療的司法の考え方に賛同し、共通する価値観を持った問題解決支援者や依存症離脱支援者等の様々な団体やグループと連携してネットワークの構築を進め、多様な依存症(嗜癖や嗜虐)を抱える人々を支えることのできるセーフティネットとなるような社会の仕組み作りに参画します。

注記
 本センターは調査研究機関ですので、依存問題や法律問題を抱えられている方々の回復支援業務や問題を解決するための相談活動を行っておりません。そうした問題を抱えている方々やご相談の必要のある方々のためには、関係機関や支援団体等のリンク集を別に用意していますので、それらを参考にして頂きますようお願いいたします。
 
 本センターは、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」研究開発領域 平成28年度採択プロジェクト「多様化する嗜癖・嗜虐行動からの回復を支援するネットワーク(ATA-net)の構築」研究代表者・石塚伸一(龍谷大学)の研究開発の一環として設立されました。  「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」研究開発領域 公式HP

治療的司法研究センターパンフレット

治療的司法研究センター連絡先

送付先(研究機構事務室宛)
〒157-8511 東京都世田谷区成城6-1-20研究機構事務室内治療的司法研究センター宛

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