成城大学について

学長メッセージ


学 長 戸部 順一

「充実」を提供する大学を目指して

 成城大学は1950年に開設され、現在では4学部11学科から構成される人文社会科学系の総合大学です。在学生の数からすれば比較的小規模な大学となりますが、それでも、政治・経済・芸術・マスコミなど社会の様々な分野で活躍する多くの人材を育成してきた伝統を持った大学です。

 さて、満開の桜、若葉を輝かす大樹、黄色に染まる銀杏並木、枯葉の舞、四季の移ろいを目で楽しめる町、成城のランドマークである本学キャンパスの学びについてご紹介したいと思います。成城大学の設置母体である学校法人成城学園は、日本の近代教育に多大な貢献をした澤柳政太郎博士によって、1917年に創立された成城小学校に始まります。小さな学園は百年の歩みの中で、幼稚園から大学・大学院までを擁した総合学園に発展してきました。学園各校は建学の精神に基づいた教育を展開しておりますが、創立百周年(2017年)を迎えるにあたって、澤柳教育が理想とするところを再確認し、その深化・充実のための改革を進めているところです。大学におきましても、次の百年を視野に入れた改革の青写真を作成したところです。

 大学が高度な知識を一方的に教授する場であればよかった時代は終わろうとしています。現在では、多様な価値観が自己を主張し合う社会を生き抜く能力、これを身につける場へと、その存在意義は変わってきました。この「生き抜く能力」を「いかなる状況にあっても自己を見失わず、主体的に判断を下せる能力」と捉え、建学の精神の一つ「個性尊重の教育」を大学の教育現場で活かしながら、一人ひとりが自ら調べ、自ら結論を導き、それを自ら表現することによって、各人の個性を輝かせる、そのことを目標とした教育カリキュラムを構築しています。この目標のために、学生が主役であるゼミナール形式の科目(科目の受講生があるテーマについて予習してきたことを発表し、互いに議論する、これを繰り返しながら授業が進められていく科目で、成城大学が大切にしている科目群です)が、いわば大学での学びに必要な能力を知ってもらう基礎編から卒業論文の制作を視野に入れた応用編まで、一年生の早い時期からすべての学部の根幹を成す科目群として展開しています。

 最近よく耳にするようになった「主体的に学ぶ=active learning」姿勢は、「自学自習」の精神として学園が伝統的に実践してきた教育の柱となっています。大学においては、active learningを一層推進するためのスペース作りを拡張しているところであり、そのスペースを大いに活用してもらう、いや、活用しなければならないように、授業の在り方を改革しているところです。 

 成城大学で現在進行している教育改革は、「懸命になることを学ぶ」ことを基盤として構想されています。「懸命」には「充実感」が伴います。私たちは学生諸君を懸命にさせる工夫を教育に織り込み、懸命さを体験し、そのことで得られる充実感を知ってもらうよう努力するつもりでいます。「懸命に生きること」が唯一の美しい生き方ではないでしょうか。「懸命になる」ことの大切さを皆さんに実感してもらうこと、それが成城大学の教育です。

学長紹介

戸部 順一 教授

とべ じゅんいち Junichi Tobe

専門分野:西洋古典学

最近の研究テーマ:アリストパネスの喜劇作品を伝える中世写本及び諸テキストの字句について

研究内容:
古代の文学は写本活動(印刷技術が発明される以前)によって伝えられてきたが、その活動の間にいくつもの書きまちがいが生じた(はずである。)笑いの仕掛けという視点から、そういった間ちがいを修正しようと試みている。

略歴:
東京大学 人文科学研究科 西洋古典学専門課程
博士課程,1983年03月,単位取得満期退学,日本国

主要業績:
[論文]
・「アリストパネス喜劇における変装の意義」『西洋古典学研究XXXII』岩波書店 1984.
・「リュシストラテの正体 pektoumenon の意味をめぐって」『ヨーロッパ文化研究 第 14 集』1995.
・「アリストパネスの悲劇批判(その 1)“pou peos;”『女だけの祭り』142 行に関する一考察」『成城文藝第 151 号』1995.
・「アリストパネスの悲劇批判(その 2)『女だけの祭り』における女衣装」『ヨーロッパ文化研究 第 16 集』1997.
・「アリストパネスにおける“TERAS”の意味」『ヨーロッバ文化研究 第 17 集』1998.
・「ディオニュソスと喜劇の本質」『西洋比較演劇研究会会報 25』2000.
・「euphemeinの構築する世界:アリストパネスにおける儀式的構造の意味」『ヨーロッパ文化研究 第21集』2002.
・「恐ろしいのは誰だ?—アイスキュロス作『エウメニデース』416行について—」『ヨーロッパ文化研究 第22集』2003.
・「白色と褐色—喜劇仮面に塗られた色に関する一考察(その1)」『成城文藝 第185号 特集—成城大学における西洋古典学研究—』2004.
・「ゆりの声」『ヨーロッバ文化研究 第 22 集』2008.
・「メガラ男の悲哀—Ar. Ach. ll.719-816の分析」『西洋古典学の明日へ』所収. 知泉書館 2010.
・「「着る」のか「脱ぐ」のか?—アリストパネス作『女の平和』645行の読みについて」」『ヨーロッバ文化研究 第 30 集』 2011.
・「アリストパネス喜劇の外国人」『ヨーロッバ文化研究 第 31 集』 2012.
・「西洋古典学は面白い! partI,partII 」『西洋古典学のすすめ』所収. 成城大学文芸学部 2015.

[翻訳]
・“Tragicorum Graecorum Fragmenta vol. 1”『ギリシア悲劇全集 13 群小詩人断片』(共訳)岩波書店 1992.
・Polyaenus『戦術書』国文社 1999.
・Aristophanes『女の平和』(『ベスト・プレイズ』所収)論創社 2011.

所属学会:
日本西洋古典学会、地中海学会、philologica等

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