芸術学科

学科紹介

人とは異なる視点から物事を捉える

芸術を理論的に、そして歴史的に学ぶことで、学生の皆さんには豊かな感性や想像力とともに、優れた知性を育んでほしいと願っています。その成果は、芸術に関わるさまざまな活動に活かすことはもちろん、社会一般において人とは異なる視点から物事を捉える力につながります。

芸術学科の特色

個性と多様さで芸術の本質を追求する

幅広く「芸術」を学べる、日本で数少ない学科

美学・音楽学・演劇学・映画学・美術史学(日本、東洋、西洋)が学べる日本でも数少ない学科。芸術への深い理解と洞察力を身につけていきます。

芸術研究のほか作品鑑賞・見学旅行も開催

芸術研究を対象とする学科なので、絵を描いたり楽器を演奏するなどの実技はありませんが、作品鑑賞・見学旅行などの実習を取り入れています。

学芸員への道も、将来選択できる

学芸員資格とは、美術館や博物館で働くための専門資格。美術品などへの深い理解や、保存・展示方法、取り扱い方などの総合知識も養います。

こんなことが「学びのテーマ」

エヴァンゲリオン

さまざまなシーンと音楽は組み合わされて、どんな意味や効果を生んでいるのか。映画学と音楽学を使って分析することができます。

平等院鳳凰堂

極楽浄土を出現させる。その造形には、平安貴族たちのどのような美意識と宗教観が関わっているのか。一種の歴史推理です。

「かわいい」の展開

クール・ジャパンのキーワード。でもそもそも「かわいい」ってどういうことをいうのだろう。現象から抽象的思考への展開です。

4年間の修学ステップ

芸術そのものに接することを重視
専門資格も取得できます

01芸術の基礎を学び、考え、広く知識と概念を身につけます

1年次では、「美学・芸術学入門」と「美術史入門」で、芸術について学ぶ上での基礎的な知識や概念を広く身につけます。また「芸術学基礎演習」・「美術史基礎演習」では作品の見方や論じ方を具体的に学び、芸術や個々の作品について根拠と論理に基づいて考える力を養います。

02必修の授業では実習より作品に触れ、知識と感性を高めます

2年次・3年次では、それぞれの芸術領域の研究内容に触れる「一般講義」・「特殊講義」と、各領域の研究方法を学ぶ「演習」が分野ごとに設けられています。これらの授業を自分自身の興味に従って選択することで、学びの専門性を少しずつ高めていきます。また2年次必修の「芸術学・美術史実習」では、京都・奈良の旅行、展覧会、映画、演奏会、舞台見学などを通じて作品に直に触れ、芸術に対する知識と感性を深めていきます。

03自らの関心からテーマを決め、集大成となる論文をまとめます

4年次では、美学・音楽学・演劇学・映画学・日本美術史・東洋美術史・西洋美術史の中から所属するゼミナールを選び、卒業論文の執筆に挑みます。自らの関心に従って論文のテーマを決め、教員の指導やゼミ仲間からの助言に支えられながら、大学での勉強の集大成となる独自の見解を論文という形にまとめていくのが目標です。

美術館・博物館で働くための「学芸員資格」が取得可能。多くの卒業生が活躍しています

学芸員課程科目を履修することで、美術館・博物館で働くための学芸員資格を取得することができます。学芸員課程科目では、展覧会運営の基礎や展示品の保管・取扱い方法などについて学びます。さらに、企画展の立案や作品解説の執筆を試みたり、実際に美術館・博物館におもむいて現場での実習を行うなど、実践的な学びも重視されます。この課程で学んだ多くの卒業生が、実際に日本各地の美術館・博物館で活躍しています。

カリキュラムの紹介

必修科目
  • 美学・芸術学入門

     芸術について幅広く学んでいくための基本的な知識やものの考え方の枠組みを身に付けるのがこの授業の大きな目的です。そのために、美術(絵画や彫刻だけでなく、現代美術から美少女フィギュアまで出て来ます)、音楽(クラシック音楽だけでなくポピュラー音楽も取り上げます)、演劇、映画等々のできるだけ多様な芸術を具体例として取り上げます。また、常に、芸術について今この現代に学び、考えることの意味を問題にします。前期のこの授業では、主として芸術の多様性についてお話しします。

  • 美術史入門

     本科目は、西洋美術史の基本を学ぶ授業である。古代ギリシャ、ローマから中世、ルネサンス、マニエリスム、バロックを経て、新古典主義、ロマン主義、印象主義、さらに抽象芸術、ダダ、シュルレアリスムに至るまでの西洋美術史の基本的な流れを、具体的な作品を見ながら押さえる。同時に、美術史の基本的な方法論と基礎知識を学ぶことによって、自分自身で西洋美術史の関連文献を読んでいくことができる知的基盤を作る。また西洋美術史を学ぶことを通して、美術とは何か、美術史とは何か、そもそも西洋美術史を学ぶとはどういうことかといった問題を考える。

  • 芸術学基礎演習

    <音楽学(第1回~第7回:赤塚担当)> 多くの人は、友人と音楽の好みについて語るような経験してきているでしょう。そうした日常における音楽の語り方と、研究における音楽の語り方は異なるものです。この授業では、芸術学の一分野として音楽について学ぼうとする際に必要となる、基礎的な用語や知識、方法を学びます。それらのいくつかは音楽という分野に特有のものであり、いくつかは芸術学の他領域においても有効となるものです。
    <演劇学(第8回~第14回:山下担当)> 演劇を芸術として意識する機会は、高校までは、まずなかったはずです。この授業は芸術学の立場からの演劇入門となります。普段は舞台を見て、感じたままに楽しむことも大切なのですが、その一方で分析的な理解の方法を身につけていただきたいと思います。そのために、演劇に関する様々な観点からの理論的な文章を読み、それに基づいて自ら論じること、また、作品を自分で分析することを学びます。

  • 美術史基礎演習

     美術史研究の基礎となる美術作品の見方、考え方、分析の方法を学びます。前半は岩佐が担当し、日本と東洋の美術作品、後半は岸が担当し、西洋の美術作品を対象とします。
    以下、それぞれの担当者ごとに説明します。
    【岩佐】
     日本と東洋の美術作品の中でも特に仏像を考察の対象とします。まず、尊像による形の特色を把握し、尊像による形の違いが何に基づくのかを考えます。また、日本における仏像様式の時代による違いを確認し、その違いがどのような要因によってもたらされるのかを考えます。さらに日本の仏像と他の国で造られた仏像あるいは彫刻を比較して、その表現の違いを抽出しながら、その違いがどうして起こるのかを考えます。
    【岸】
     19世紀から20世紀初頭までの西洋近代絵画を例にとりながら、絵画作品の見方、論じ方を学びます。時代によって表現形式・内容の変化がいかに、またなぜ起こったのかを考えます。
     毎回、次のような流れで授業を展開します。①教員がそれぞれの時代の絵画が誕生した文化的、社会的背景を説明します。②パワーポイントを使用して、いくつかの作品図版を見せます。③履修者は個々の作品について重要と思われる点を記述し、作品分析の方法を習得します。④グループに分かれて、各自の作品記述を発表し、それについてお互いに自由に議論します。他の人の意見を聞き、話し合うことで、作品を見る際、どのような視点があり得るのかの視野を広げます。

  • 芸術学・美術史実習

     広く実際の芸術作品や公演等に接して、芸術に関する素養を身につけることを目的とする授業である。原則として芸術学科の専任教員全員がそれぞれ3コマ担当し、2コマを教室での講義、1コマを見学等にあてる。そのほかに、学外からも講師を招いて講義や見学をするなど、バラエティのあるプログラムが組まれる。また、秋には2泊3日の京都・奈良実習旅行があり、日本美術史と東洋美術史の教員の解説を聞きながら見学をする。この授業は芸術学科2年生の必修科目であり、ホームルーム的な役割もあり、12月にはゼミ・演習のガイダンスも行われる。プログラムの詳細については、開講時にプリントなどによって知らせる。

演習科目
  • 原典演習
  • 同時代芸術演習
  • 美学演習

     高度な専門書を全員で読み、論文読解力を一気に高めます。
     内容的には、身近な現象を美学的に考える方法を学びます。著者がこの本で行なっている問題発掘、分析、考察、解答の過程を共にたどることで、美学研究の方法を体得します。

  • 音楽学演習

     音楽を研究する様々な方法を学ぶ。前期は主として音楽学の研究論文を読み、そこで用いられている研究方法について理解を深める。さらにその論文の内容についての討議を行う。できるだけ多様な論文を取り上げ、音楽の研究方法の広がりを把握できるようにする。後期は、受講者が音楽に関わる何らかのテーマに基づいて口頭発表を行い、その方法や内容について受講者間で討議する。テーマは発表者が自ら決定することとするが、方法については前期に学んだ内容を適宜応用する。そして年度末には自身の取り組んだテーマについて紙面のレポートを作成する。

  • 演劇学演習

     3つの柱からなる。まずは作品研究で、日本と外国の戯曲を2つとりあげ、構造・登場人物像・言語表現・主題・歴史的背景・上演史の観点から研究する。次の柱は研究論文を読み、研究とはどういうものか、論文を書くとはどういうことかを学ぶことである。日本語および英語で書かれた演劇研究論文を読む練習をする。最後に、各自が興味を持ったテーマについて発表し、それについてクラス全員で質疑応答する。

  • 映画学演習

     前期はまず、(翻訳を含む)日本語で書かれた主として映画作品分析を主題とする映画学の論文(あるいは著作の一部)を数本講読する(7-8回程度を予定)。授業では、論文の内容について、毎回報告者2名が要約の報告を行い、その後受講者全員によるディスカッションを行う。原則として、毎回1本の論文(あるいは著作の一部)を取り上げる。長谷正人、中村秀之、藤井仁子、石田美紀、大澤浄、碓井みちこ等の論文が候補である。
     6月中旬からは、受講者それぞれに特定の作品の分析を行って発表してもらう。分析の対象として取り上げる作品は各自の希望するものとするが、どの作品を選んだらよいのか分からないという場合には、古典的ハリウッド映画の作品を取り上げることを強く勧める。これは、ショット構成、ナラティヴの構成のかっちりとした映画の方が分析し易いためである(特にヒッチコック、ホークス、ルビッチ、キャプラ等の映画が親しみやすく分析しやすい)。各発表後には、受講者全員によるディスカッションを行い、各自の論点を掘り下げ、また映画の見方の多様性についての認識を深めたい。なお、理論的志向の強い学生は、作品分析ではなく映画あるいは映像に関する理論的・哲学的内容の発表を行っても良い(歓迎する)。

  • 日本美術史演習

     卒業論文執筆の前段階の授業として、日本美術史の中から各々関心のあるテーマを選択し、調査研究を行い発表する(回数は受講者数によって開講後決定するが、最低でも2回)。これによって日本美術への理解を深め、文献の探し方、理論の組み立て方などの研究方法の基礎を学んでいく。最初の数回はテーマの設定方法や文献資料の探し方を講義し、その後は各人の発表が中心となる。

  • 東洋美術史演習

     東洋美術(日本の宗教美術も含む)の中から各自興味をもつ作品ないしテーマを選び、1年をかけて調査研究を進める。定期的に発表を行い、討議を行いながら問題意識を深めていき、その成果を研究報告としてまとめる。こうしたことを通して、美術作品の研究方法を学ぶ。

  • 西洋美術史演習Ⅰ

     各学問分野にはそれぞれに固有の方法論があり、さらに各分野内でも時代や対象によってさらに細分化される。美術史の場合も、実証主義からニューアートヒストリーまで、作品論や作家論から制度論まで多岐にわたる。本演習は、研究発表と議論とを通じて、履修者各々が自身の研究方法の特色を自覚し、そのために必要な能力を身に付ける場としたい。
     テキストは『イメージとパトロン—美術史を学ぶための23章』を用いる。11章が日本美術史、12章が西洋美術史という構成になっており、西洋美術史編を中心に進める予定であるが、履修者の関心に応じて日本美術史編の論文や追加論文を使用する場合もある。

  • 西洋美術史演習Ⅱ

     前期は、共通テーマとしてバロック美術をとりあげ、画家カラヴァッジョと彫刻家ベルニーニについて、資料や論文を読んで、さまざまな角度から、バロックの二人の天才の生涯と作品を研究する。カラヴァッジョとベルニーニについて詳しく研究することによって、西洋美術史の研究方法や問題点、論文の書き方などを学ぶ。後期は、受講学生にそれぞれ興味を持った美術家(イタリアやバロックに限らず自由に選んでよい)の作品について、研究発表をしてもらい、それについてコメントしたり、ディスカッションしたりする。発表によって、それぞれのテーマを深め、西洋美術史のさまざまな問題に触れる。

講義科目
  • 美学一般講義

     最新の研究成果を取り入れ、美学理論・芸術哲学の基本事項と各論的事項を適宜折り合わせながら、美学という学問の概要を知ってもらいます。なるべく芸術作品や身のまわりのことがらの例を引いて、わかりやすい授業にしたいと思っています。

  • 音楽学一般講義
  • 演劇学一般講義
  • 映画学一般講義
  • 日本美術史一般講義
  • 東洋美術史一般講義
  • 西洋美術史一般講義Ⅰ
  • 西洋美術史一般講義Ⅱ
  • 美学特殊講義

     老いに積極的価値をみとめること。それは感性の再評価と不可分ではないだろうか。
     一般に考えられている老いは衰退を意味し、高齢期の体力や知力の衰えが、社会的活力の低下とみなされることが多い。身体も精神も加齢によって変化を余儀なくされるであろう。しかし、特に精神におけるその変化は、かならずしも衰えとはいえまい。むしろ場合によっては、身体の衰えを補うことによってこそ、精神性は顕在化されうるであろう。あるいはまた、生命力が衰えたとしても、知性と感性が互いにその力を補い合うことで、新たな創造性がもたらされうるのではないか。またある場合、知性の衰えとみなされるまさにその点が、感性を際立たせることに通じるかもしれない。老いについてあらためて考え、特に老いにおける感性に着目することで、そのあり方の再発見を試みることにする。
     芸術作品に描かれた老い、芸術家の晩年における手法を手がかりにしながら、これから少しずつ結論に向かって歩みたい。

  • 芸術学特殊講義

     統合ミュージカル(integrated musicals)の最高傑作といわれる『ウェスト・サイド物語』West Side Story(1957年初演)を題材として取り上げ、必要に応じてその映画版や他のフィルム・ミュージカルを見ながら、アメリカン・ミュージカルとはどんなもので、研究対象としてどんな分析ができるのか、について講義します。1990年代以降、音楽学、演劇学、映画学、ゲイ・スタディーズなどが相互乗り入れすることでミュージカル研究は合衆国で本格化しますが、本講義ではその最新の知見をふまえ、アメリカン・ミュージカル研究の(アメリカン・ミュージカルの、ではありません)多様な切り口を提示します。

  • 美術史特殊講義

     詩人アンドレ・ブルトンの『シュルレアリスム宣言』(1924年)によって発足したシュルレアリスム(超現実主義)は、しばしば20世紀最大の芸術運動と称されます。当初は文学上の運動として出発したシュルレアリスムは、程なくして美術も自らの領域に引き入れました。本講義ではこのシュルレアリスムの美術について論じます。まずシュルレアリスムとはどのようなものかを知った上で、シュルレアリスムの美術を語る上で生じる問題を確認します。そして、シュルレアリスム美術の前史として幾人かの画家と美術動向を押さえた後、シュルレアリスムの代表的画家を取り挙げ、20世紀美術史におけるシュルレアリスム美術の意義を考えます。

ゼミナール
  • ゼミナール

     前期の最初は卒論の概要を論じる。卒論のテーマ設定や書き方の規範などを説明した後でこれまでの模範例を用いて理解度を高める。その後は各自まとめていたテーマを発表する。後期は継続して発表を個々人で数回行い、それぞれの問題点について、お互いに論じ合うことで、執筆意欲を高め、内容を深化させる。同時期は執筆期間でもあり時間外の指導も行う。最後は口頭試問の心得を説く。

  • 卒業論文

ある学生の1年次の時間割

ある学生の1年次の時間割

取得可能な免許・資格

  • 学芸員
  • 社会調査士

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