成城大学

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国文学科

学科紹介

国文学、国語学、漢文学を7名の専任教員のもとで深く学ぶ

文学は「文」の学です。「文」は「あや」。昔からわが国では「文」といえば、かならずそこに「あや」をもうけることを常としていました。それが仮に歴史や、あるいは実用的な文言であっても。

「あや」には、それぞれの時代固有のものと、時代を超えて受け継がれたものとがあり、その次代特有の表現を味わうにも、それ以前の表現を知ることなしには、実は不可能なのです。ある時代の表現はかならず、時代の表現の温床になる。その無限の繰り返しが時代の「文」を作り上げてもいる。すなわち「文」はすべて、現代のそれすら、産み落とされた瞬間から「古典」となる運命を背負っているともいえましょう。

本学科では古代から現代までの国文学、国語学、漢文学の講座が開かれており、7名の専任教員がそれを担当します。文学、語学、大陸文化との比較、などの観点から、落ち着いた学園の雰囲気のなかで、なつかしい「文のあや」の姿にふれ、親しみ、そしてその境地に遊んでほしいと思います。

国文科の特色

古典文学重視のカリキュラムで、
古代から現代までの豊かな言葉と文章に触れます

「国文学」「漢文学」「国語学」を徹底して学ぶ

古典文学重視のカリキュラムで古代から現代までの豊かな言葉と文章に触れます。
古代・中古・中世・近世・近代の国文学、更に加えて漢文学・国語学等を総合的に学びます。

五感をフルに活かして、国文学の世界に近づき、親しみ、研究する

文学は本来、総合芸術。声に出して読んだり、古写本のくずし文字を読み解いたり、身体と五感をフルに活用して文章を読みます。
読み・書きだけでない、実感重視の授業。

「知る」「考える」「ことばで表現する」、日本語を知れば広がる世界

言葉の学びを通じてコミュニケーション能力を高め、自立した社会人として通用する豊かな人間力を育てます。各界で、さらには世界で活躍出来る道も開かれます。

こんなことが「学びのテーマ」

源氏物語のルーツは民話!?

女が鶴になって飛び去る鶴の恩返し。地理がセミなら源氏物語の空蝉。カゲロウなら蜻蛉。月へ行けば、竹取物語!?

三国志の人物像

小説や漫画に描かれる孔明や劉備。その人物像について中国の文献と比較し、どう継承され、変化したのかを考えよう。

日本語ラップの韻

日本語ラップの韻の踏み方を言語学的に考察すると、実に保守的な規則がはたらいているという、意外な事実がわかったりします。

4年間の修学ステップ

基礎から専門へ、4年間をかけて
言葉を読む力を育てます

01国文学を読むための
基礎体力作り

1年次は素読(朗読や暗唱中心に授業)で、国文学を読むための基礎体力づくりをします

02講義や会読で、
深く読む力を鍛える

2年次以降は、講義(先生の話を聞く授業)や会読(学生の研究発表中心の授業)で深く読む力を鍛えます

03少人数の
ゼミナールに所属

3・4年次は少人数のゼミナールに所属し、担当教員のもとで卒業論文を書くための力を磨きます

カリキュラムの紹介

必修科目
  • 素読

     和歌・和文の古典の名作を、声にして繰り返し朗読し、あるいは筆の文字で読み、書くことで、その本質を体感する。もって、暗誦にまで至り、それを我がものとして、体得し、国文学研究の基礎とする。
     「文学」とは何か?
     結局、それは、声であり、文字であり、書物であり、経験であり、記憶であり、それらの再現であり・・・ということを、徹底して体験する試み。

  • 国文学史総合講座

     上代から近代までの国文学史(日本漢文学史も含む)を概説する。各時代の主要作品と影響関係、歴史的な展開を教科書や配布プリントなどを使用して説明する。
     それぞれの時代・分野を担当する国文学科の教員が、リレー形式で講師をつとめる予定である。

  • 国語史概説

     これまでの書記的な側面に大きく偏った日本語への見方をあらため、音声的な側面への着目を促していく。特に、音声、音韻といった概念について理解を深めたのち、それらが日本語においてどのようなあり方を示すのかについて講義していく。そして日本語の音韻史を考えていくための準備を進めていく。

  • 漢文学概説

     日本漢学との関連を視野に入れつつ、中国古典文学史の流れを概観する。ただし、個々の作品を取り上げて読む作業に重点をおき、それらの作品を通じて文学史のより具体的な様相を見ることとする。

会読科目
  • 古代国文学会読
  • 中古国文学会読
  • 中世国文学会読
  • 近世国文学会読
  • 近代国文学会読
  • 漢文学会読
  • 国語学会読
  • 古文
  • 漢文
  • 書道
実習科目
  • 国語国文学実習
講義科目
  • 古代国文学講義

     現存最古の歌集『萬葉集』の第八巻には、四季の歌が収められている。古代日本人の和歌の世界と季節観に親しみながら、『萬葉集』本文や訓の再検討、時代背景や歌人についての調査、歌語の歴史的研究などを行う。

  • 中古国文学講義

     古今和歌集の仮名序に「やまとうたは、人のこころをたねとして、よろづの言の葉とぞなれりける」と言うことの実態を、百人一首の和歌にそくして、具体的に探る。百人一首の和歌を熟読し、それを和歌史・歌学史に照らし、その表現しようとしたところを読み解こうとする。百人一首所収の和歌は、ほぼ王朝時代を蓋う。王朝和歌を副題とする所以である。

  • 中世国文学講義

     狂言を読む。流儀による相違、時代による変遷を把握するために、現存する古台本を丹念に読んで比較し、狂言の「をかし」の在り所の変化を考える。

  • 近世国文学講義

     江戸時代を代表する江戸の地誌である『江戸名所図会』を文芸作品として精読する。各項目(主に地名)を適宜抽出し、語彙の注釈や出典考証(他の代表的な地誌や他ジャンルの文献との比較)を通して、当時人々にその土地がどのように位置付けられていたかを考察する。また、現代における該当地とどのような相違点があるかなどを考え、文学史のみならず文化史的な観点から、「自分たちの足下」についての認識を深めることを目指す。

  • 近代国文学講義

     近代国文学の概観を明治時代を中心に呈示し、歴史的にその変遷を辿っていく。いくつかの具体的な文学作品に即して、明治初期から中・後期にかけてその代表的な近代の作家・評論家・詩人等の個性を見つめ直し、味わって行きたいと思う。また、一方で、今日の一般的な文学史的な記述からは漏れている作家・作品にも触れていく予定である。(大正・昭和の文学についても随時触れることがある。)

  • 漢文学講義

     古代から中世にかけての日本漢文学の歴史を概観する。日本漢文学の歴史とは、本来中国人の表現手段であった漢文を、日本人が自らの表現手段として用いてきた歴史に他ならない。さらに、漢文学は、当時の学問の有り様とも関わり、常に日本文学を根底から支え続けてきた。本授業では、日本人が如何に漢文学の知識を獲得し、それを自らの表現手段として用いてきたのかを通時的に概観する。

  • 国語学講義

     日本語の文法を研究するために、日本語の母語話者である者が自らの文法の知識をどのように用いればよいか、例文をどのように作成すればよいか、こうした観点から考察のし方を示していく。
     以上のことを前提として、前半は、音形の側面に着目し、省略語、アクセント、動詞の活用等について解説する。後半は、意味・機能的な側面あるいは構文的な側面に着目して、各品詞を述語とする文の特徴や、助詞や助動詞等の機能について解説していく。

  • 国語国文学講義
ゼミナール
  • ゼミナール

     卒業論文指導もかねて、近代日本文学作品の中から豊富な問題性をはらむ作品や文学史上傑作とされてきた作品を選りすぐって読んでいく。
     一方で、文学研究のあり方にも触れ、理論的諸問題の考察や、先行研究論文の紹介等もおこなう予定。

  • 卒業論文

ある学生の1年次の時間割

ある学生の1年次の時間割

取得可能な免許・資格

  • 中学校教諭1種(国語)
  • 高等学校教諭1種(国語)
  • 学芸員
  • 社会調査士