王　俊文准教授

おう　しゅんぶんJunwen Wang

経済学部 / 基礎教育

研究内容：: これまでに、中国文学研究者であり小説家でもあった武田泰淳における魯迅の影響に焦点をあて、泰淳の「戦友」であった思想家の竹内好との比較を通して、彼らの中国観および思想を研究していました。最近は魯迅の影響については、日本の中国語教育者や言語学者の活動も研究対象としています。また、1920年代に北京で活躍した日本青年の丸山昏迷と周氏兄弟（魯迅と周作人）の交流を調査し、同時代の思想的影響関係を考察しています。そのほか、「映画における日中交流の現場」を通じて、日中における民族性の相違や認識の差異について考えを深めようとしています。

略歴：: 1999年　北京大学中国語言文学系卒業
2002年　北京大学中文系比較文学比較文化研究所修士課程修了
2011年　東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了
東京大学講師を経て、2024年より成城大学

主要業績：: ・丸山昇『魯迅・革命・歴史——丸山昇現代中国文学論集』（翻訳）北京大学出版社、2005年
・「一九二七年日中両国作家の『人間事』—佐藤春夫・田漢・芥川龍之介・辜鴻銘を中心として—」『東京大学中国語中国文学研究室紀要』12号、2009年
・「武田泰淳における『阿Q』—『私』の分裂と浮遊—」『東方学』120輯、2010年
・『左翼文学的時代——日本「中国三十年代文学研究会」』（共訳）北京大学出版社、2011年
・長堀祐造『魯迅与托洛茨基——「文学与革命」在中国』（翻訳）（台北）人間出版社、2015年
・『越境する中国文学』編集委員会編『越境する中国文学——新たな冒険を求めて』（共著）東方書店、2018年
・「一個青年的来訪——対1939年5月周作人的外囲観察」『文化論集』55号、2019年
・「日本戦後大学中文教育草創期浅窺——以東大教養学部首位中文専任講師工藤篁為中心」『上海文化交流発展報告』、2022年
・「『純粋な信仰——丸山昏迷の思想と大正デモクラシー」『東京大学中国語中国文学研究室紀要』26号、2024年
・「人与鬼的糾葛——論『鬼子来了』的内外」（文教大学）『言語と文化』36号、2024年