成城大学

成城大学

Twitter FaceBook instagram YouTube LINE note
CONTACT EN

NEWS

  • 2026.07.29

    IWG Women & Sport Global Summitにおいて、「ASEAN-Japan Actions on Sport: Gender Equality」の事業と成果を報告しました

2026年7月9日から11日にかけて、英国・バーミンガムで開催された「第9回 IWG Women & Sport Global Summit」において、本学文芸学部准教授・スポーツとジェンダー平等国際研究センター(SGE)副センター長の野口亜弥が、「Mainstreaming Gender in ASEAN Sports Policies through the ASEAN-Japan Actions on Sport: Gender Equality Project」と題した発表を行いました。

本発表は、同大会の主要テーマの一つである「イノベーション」のカテゴリーにおいて、登壇者が実践から得られた知見を共有する「インサイトステージ」の形式で実施されました。

IWG Women & Sport Global Summitとは

IWG Women & Sport Global Summitは、スポーツや身体活動におけるジェンダー平等をテーマとする、世界最大規模の国際会議です。

第9回大会は、2026年7月9日から11日まで英国・バーミンガムで開催され、世界各国からスポーツ関係者、政策担当者、研究者、実務家、アスリートなど1,200人を超える参加者が集まりました。

大会では、「投資」「リーダーシップ」「イノベーション」「可視性」「参加」の5つを主要テーマとして、女性や少女を取り巻くスポーツ環境の改善に向けた研究成果や実践事例、政策上の課題について議論が行われました。野口准教授は、このうち「イノベーション」のカテゴリーに設けられたインサイトステージに登壇しました。

発表した内容

発表では、スポーツ庁からの委託を受け、成城大学スポーツとジェンダー平等国際研究センターが実施している「ASEAN-Japan Actions on Sport: Gender Equality」の事業内容と、これまでに得られた成果を報告しました。

本事業は、日本とASEAN諸国のスポーツ分野における協力を通じて、各国のスポーツ政策にジェンダーの視点を取り入れることを目的としています。ASEAN各国は、政治制度、経済状況、文化的・宗教的背景、スポーツ行政の体制などが大きく異なります。
そのため、一つの政策モデルをそのまま導入するのではなく、各国の知識や経験、課題、主体性を尊重しながら、それぞれの状況に適した取組を共に検討することを重視しています。

事業では、主に次の四つの柱を組み合わせて取組を進めています。

第一に、各国の政府機関や国内オリンピック委員会の関係者を対象とした能力強化研修です。ジェンダー平等、セーフガーディング、政策形成、モニタリング・評価などについて、各国の経験を共有しながら学び合う機会を設けています。

第二に、各国のスポーツ政策や、女性・少女を取り巻く状況に関する調査です。政策上の課題や優先事項を明らかにし、各国の関係者とともに、エビデンスに基づく政策形成を進めています。

第三に、研修後の継続的な伴走です。定期的なオンライン会議などを通じて、各国の担当者が、それぞれの課題や優先事項を具体的な政策や行動計画へとつなげられるよう、対話と協働を重ねています。

第四に、ASEAN地域の経験を、UN WomenやUNESCOをはじめとする国際的な議論や枠組みにつなげる取組です。国際的な知見を一方向に導入するのではなく、ASEAN各国で蓄積された経験や実践を国際社会に発信し、相互に学び合うことを目指しています。

これまでの成果として、ASEANのスポーツ分野の事業計画にジェンダー平等が明確に位置づけられたほか、地域共通の指標づくりや、政策担当者同士の学習ネットワークの構築が進んでいます。

各国においても、ブルネイやマレーシアにおける女性・ジェンダー関連政策の策定・改定、カンボジアにおけるスポーツ分野の女性を対象とした能力開発プログラム、ベトナムにおける女性アスリートの妊娠・出産に関する政策的対応の明確化など、具体的な変化が生まれています。

また、ラオスやミャンマーでも、政府レベルでジェンダー平等に関する取組が開始されています。日本側においても、短期的な事業としてではなく、2030年を見据えた継続的な協働へとつなげる動きが進んでいます。

インサイトステージでは、こうした個別の成果に加えて、研修のみで政策変化を生み出すことは難しく、調査、継続的な対話と伴走、国際的なネットワークとの橋渡しを組み合わせることが重要であるという、本事業を通じて得られた知見を共有しました。

まとめ

今回の発表では、ASEAN各国の多様な背景や主体性を尊重しながら、調査、研修、継続的な伴走を組み合わせることの重要性を報告しました。

今後は、策定された政策を予算や具体的なプログラムにつなげるとともに、各国が地域内で学び合い、取組を継続できる仕組みを育てていくことが重要です。

本事業を通じて、引き続きASEAN各国の関係者と協働し、ジェンダー平等なスポーツ環境の実現に取り組んでまいります。