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  • 2017.05.25

    【開催報告】成城大学グローカル研究センター国際セミナー「生」を取り巻く脆弱性と資本 Vulnerability and Capitals in Our Life

開催日:2017年3月22日
場所:成城大学3号館3階小会議室
演者:スルフィカール・アミール博士(シンガポール・ナンヤン工科大学・人文社会化学部准教授)
   Dr. Sulfikar Amir (Nanyang Technological University, Singapore)

 2017年3月22日に、成城大学においてシンガポール・ナンヤン工科大学人文社会化学部准教授スルフィカール・アミール博士(Dr. Sulfikar Amir)を招いての研究会を行った。研究会は、以下の2部構成のスケジュールで実施された。

Part 1: Film Screening 上映会
13:00~13:10 Opening Remarks (Ryuma Shineha, Seijo University)
13:10~14:00 Film Title: Nuclear Java (48min)
14:00~15:20 Film Title: Healing Fukushima (69min)
15:20~15:45 Break

Part 2: Guest Lecture 講演会
15:45~16:45 Theme: Disaster and Capitals in Our Life
16:45~17:15 Discussion (featuring Dr. Shi Lin Loh, writer of Healing Fukushima)

 第一部では、スルフィカール・アミール先生が撮影されたドキュメンタリー映画であるNuclear JavaならびにHealing Fukushimaの上映を行った。Nuclear Java はインドネシアにおける原子力発電を巡る様々な政治性、専門家と住民の必ずしも相容れない語りの相克を描いたものであり、Healing Fukushimaは東日本大震災と続く福島第一原子力発電所事故において福島県の医療者達が直面した様々なリスクとリスク観、そして医療者達自身が置かれた文脈を捉えた作品である。この二つの作品の上映を呼び水として、社会と技術の関係性の中に陰に陽に見え隠れする様々なリスクとその背景にある社会的脆弱性の諸相についての議論を行った。
 第二部では、第一部の論点を引き受けつつ、現在スルフィカール・アミール先生が取り組まれている研究についての発表を頂いた。シンガポールという都市が持つ様々な脆弱性を社会科学そして社会技術の視点からどのように捉えていくかについての研究発表であった。
 グローカル化する社会において、人々の生活世界を取り巻く脆弱性はますます複雑なものとなり、また見えにくいものとなっている。その見えにくさを捉えるための人文・社会科学的な視点の洗練の必要性を強く感じさせる内容であった。

標葉 隆馬(文芸学部)

成城大学グローカル研究センター国際セミナー「生」を取り巻く脆弱性と資本 Vulnerability and Capitals in Our Life