全学共通教育科目
身体の理解と生涯スポーツの学習
人間が生きていくうえで、自らの身体について知り理解を深めていくことは、極めて重要なことです。また、将来にわたって、身体的・精神的・社会的に健康であるためには、程度なスポーツ活動が常に必要です。
そこで、本学ではスポーツ・ウエルネス教育科目を全学共通教育科目として位置づけ、以下のような教育目標に下に科目を設置しています。
(1)「ウエルネス」とは、身体的健康、精神的健康、そして他者や自然との良好な関係を築くという意味での社会的健康からなる新しい健康概念である。この科目では「ウエルネス」へのアプローチとして、身体的、精神的健康状態を維持・増進するために必要な科学的知識の理解を深めるとともに、様々なスポーツや運動などの身体活動、身体表現を通して自己や他者や自然と向き合い、また共に生きていくための能力を養う。
(2)グローバルな文化現象であるスポーツの成り立ち、歴史、現代的意味や社会的価値について様々な理論的知識を学ぶ。また、実際にスポーツ・運動を実践しながら、他者や自然との良好なコミュニケーションに必要な知識、スキルを獲得する。
(3)運動やスポーツを主体的に楽しみ、生涯にわたって豊かな「スポーツライフ」と「ウエルネスライフ」をマネジメントするための基盤を形成する。スポーツ・ウエルネス教育科目は、以下の2つの領域から構成されています。
1 スポーツ・ウエルネス講義・演習科目(学年配当1~4年次)
スポーツ・ウエルネス講義・演習科目とは、講義と、スポーツや身体運動の実践、健康状態を知るための測定などを融合した演習によって展開される授業で、以下の科目が開講されています。
系列 | 授業科目 | 科目概要 |
---|---|---|
スポーツ文化 | スポーツ・スタディーズⅠ 〈身体と用具の変遷〉 |
スポーツというグローバルな社会現象を用具と身体の変遷に注目しながら、発明、模倣、応用、伝播を通じて世界各地の人々が発展させてきた豊かな文化として捉える視座を学ぶ。 |
スポーツ・スタディーズⅡ 〈スポーツの比較文化論〉 |
社会の変容とスポーツの性質の変容を重ねながら、様々なスポーツが成立、発展してきた文化的・社会的背景を比較文化論的見地から検討し、スポーツ固有の文化性について考える。 | |
スポーツ・スタディーズⅢ 〈スポーツのグローカリゼーション〉 |
スポーツ文化の成立、発展、伝播、変容を「グローカル」という観点から検証し、現代スポーツのグローバル化をローカルな力との複雑で多様な折衝・交渉過程として分析する。 | |
スポーツ・スタディーズⅣ 〈Sport for Life〉 |
スポーツが日常生活にどのような影響をもたらすのかについて、国内外のスポーツ社会学的視座から捉え、〈Sport for Life〉という考え方を検証しながら、将来の実生活にスポーツ実践を取り込むための方法やスキルを学ぶ。 | |
ウエルネス文化 | ウエルネス・スタディーズⅠ 〈健康スポーツへの誘い〉 |
自分自身の心身の健康な状態を維持・獲得していくための基礎的な知識・理論を学び、スポーツや運動実践を生涯にわたるライフスタイルに取り込むことの大切さについて考える。 |
ウエルネス・スタディーズⅡ 〈健康スポーツの心理〉 |
「健康的な生活習慣づくり」「健康スポーツと自己コントロールへの動機づけ」のための科学的基礎知識を日常生活に取り込む実践方法を学び、運動・スポーツの知的理解を通して身体と心の状態・特性・機能への気づきを高めていく。 | |
ウエルネス・スタディーズⅢ 〈身体のリテラシー〉 |
「健康」概念を「精神的な健康」,「身体的な健康」,「社会的な健康」を含む「ウエルネス」概念から捉え、現代社会における「健康」をクリティカルに再考しながら、個々の生活を豊かにしていくための「身体のリテラシー」について学ぶ。 | |
ウエルネス・スタディーズⅣ 〈健康スポーツの科学〉 |
基礎的なスポーツ科学・健康科学の観点から、「健康的な身体づくり」「健康スポーツと自己コントロールへの動機づけ」について考察し、その知識を実際に日常生活に取り込むための実践方法を学ぶ。 | |
身体表現文化 | 身体表現・スタディーズⅠ 〈アスリートと身体表現〉 |
メディア・スポーツの世界で活躍するアスリートの身体表現やパフォーマンスをスポーツ科学の視座のみならず,文化論的,社会学的な視座から読み解き、現代におけるスポーツ文化とスポーツする身体が有する意味や価値ついて考える。 |
身体表現・スタディーズⅡ 〈武道とジャパノロジー〉 |
武道の成立と発展を歴史的に考察しながら、日本固有の身体運動文化の思想や実践を身心論の観点から捉え、他者に自分の考え伝える力と他者の考えを受け入れる力について学ぶ。 | |
身体表現・スタディーズⅢ 〈身体コーディネーション論〉 |
身体・スポーツ科学に触れ、トレーニングやケアの技術を習得しながら身体をコーディネート(調整)する能力について学び、効率の良い身体の使い方を身に付け、自分の目的に合った身体の質を考える。 | |
身体表現・スタディーズⅣ 〈舞踊と身体表現〉 |
広く世界各地の舞踊の歴史と現在を学び、人類学や舞踊論、身体論の観点から、様々な舞踊の身体表現やパフォーマンスの記号や意味を読み解き、その宇宙を考える。 |
2 スポーツ・ウエルネス実技科目(学年配当1~4年次)
スポーツ・ウエルネス実技科目とは、実際にスポーツや運動の実践をとおして、身体的・精神的な健康の維持・増進を図る授業科目です。スポーツ・ウエルネス実技科目では、以下の種目の科目を開講しており、学園内の施設や近隣の外部施設を利用して、毎週1回半期開講される「定時コース」と、学園以外の施設を利用したり、季節の特徴を活かし て、集中的に技能を取得することを特徴とした「集中コース」の2つの開講方式があります。また、在学期間いずれの学年でも履修することができ、同一名称の科目を反復・重複して履修することもできます。
コース | 種目 | 系列 | ||
---|---|---|---|---|
定時コース | オルタナティブスポーツ | 卓球 | バレーボール | スポーツ文化 |
ゴルフ | テニス | フットサル | ||
サッカー&フットサル | バスケットボール | |||
ソフトボール | バトミントン | |||
集中コース | サイクル・スポーツ | スキー | ||
定時コース | アクアエクササイズ | 水泳 | トレーニング | ウエルネス文化 |
エアロビクス&コンディショニング | レクリエーション・スポーツ | |||
エアロビクス&ピラティス | コンディショニング | |||
剣道(古武道) | 身体表現文化 |