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2025.06.04
データサイエンス教育研究センターが開講する「データサイエンス特殊講義Ⅲ」は、一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会(https://peopleanalytics.or.jp/)のご提供により実施しています。企業の人事部門で活躍している講師をゲストスピーカーとしてお招きし、「働く人とデータ分析」をテーマに、企業の人事戦略でデータサイエンスを活用する取り組みである「ピープルアナリティクス」について、先進的な取り組み事例を基に学びます。
第2回目の6月2日(月)の講義は元株式会社サイバーエージェント人事データ統括室の和田 計也 氏にご登壇いただき、人事業務におけるデータサイエンスの活用について、和田氏が株式会社サイバーエージェントにて取り組んだプロジェクトを例に講義していただきました。
多数のグループ会社を抱えるサイバーエージェントは、人事データを一元化できていないという課題があり、社内異動を活性化させる上で障害となっていました。そこで部門ごとに保持していた多様なデータを集約するシステムを構築し、データベース化しました。それにより人事業務の効率化だけでなく、社員の出社率が可視化されたことでオフィスビルの契約や移転についても、戦略的な意思決定ができるようになりました。データを整理し、可視化することで予想以上に様々な課題解決につながっていくことがわかりました。
また、若手社員の抜擢機会の希薄化という課題に対して、10年以上活躍している先輩社員の特性をインタビューによって分析したプロジェクトでは、定量調査だけがデータサイエンスではなく、インタビューなどの定性調査も課題解決には役立つといった貴重な経験談をうかがうことができました。ほかにも、ESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字)の観点から、CO2排出量を算出するためのプログラムや、労務部門への問い合わせを減らすためのチャットボットなど、多岐にわたる事例を通して、データサイエンスが企業の現場でどのように応用されているかを学びました。
さらに今回の講義は、企業での実際の課題とその解決までのプロセスを学ぶことで、学生たち自身が、卒業後にどのように社会で活躍するかをイメージする機会にもなりました。
*次のゲストスピーカーの登壇は、7月7日(月)に予定しています。当日はデータサイエンス特殊講義Ⅲの履修者以外の学生も参加できます。
講師の和田 計也 氏
自己紹介としていままで携わってきた仕事をご紹介いただきました
人事データを一元化するシステムを構築
インタビューによって貴重なデータを収集することができたと語る和田氏