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2026.11.05
社会イノベーション学部の「地域政策論」(担当:山本 匡毅教授)では、国(中央)と対比して、地域のありようを経済・社会・文化・歴史等の多様な局面から総合的に捉えた上で、地域に関する政策や制度、そこから発生する課題等について学びます。
この日の授業ではゲストスピーカーとして、成城自治会副会長であり法政大学名誉教授の石神 隆氏をお招きし、成城大学が立地する成城というまちのコミュニティやまちづくりについて講演していただきました。
雑木林や田園が広がる台地に成城学園が移転してきたことを契機として、その周囲の土地を学校の保護者が中心となって開発・分譲して発展してきた成城のまちは、全国的に見ても非常にめずらしいと石神氏は言います。このような成り立ちから、ほぼ100%の住民は他地域からの移住でした。初期の住民の職業を調べてみると、多くを占めるのは大手企業の役員や大学教員、医師、軍人など、比較的時間の自由がきく知識階級が多く、成城学園に子女を通わせるために郊外に移住してきたことがわかります。多様な人々が集まり形成された成城のまちでは、違いを尊重する自由な文化が育まれ、そのような風土にひかれて芸術家や文化人も多く住むようになっていきました。
自由である一方で、互いに気持ちよく過ごすためのルールやマナーが大切になります。石神氏は水や空気、景観など私有化できないものを皆で享受するための決め事が機能するためには、コミュニティ作りが重要であると述べられました。住民同士が良好な関係であれば、相手が不快に感じる行動は自然としなくなるからです。成城自治会は住民同士をつなぐ落ち葉拾いや防災訓練などの取り組みのほか、住宅新築時のルールや住民の心得を明文化した「成城憲章」を守り伝え、成城のまちのコミュニティの中心を担ってきました。
そして、石神氏によると「コミュニティ作りで最も大切なことは、すべての住民たちが共鳴する核があること。」とのこと。成城の場合は「子どもたちのため」という志が当初から現在まで受け継がれてきています。成城自治会と成城学園とは関係も深く、自治会に入会している学園関係者もいます。まさに学校とともに歴史をつむいできた成城のまちの独自性を改めて知ることができました。
最後に、石神氏から学生たちへ「未来に成城の文化をどう伝えていくかが今後の課題です。成城に通う住民の一人として、成城の地でどのようなイノベーションを起こしてみたいですか?自由な発想でプロジェクトを考えてみてください。」という課題が与えられました。
今回の講演を聴いて、自分なりに咀嚼し、どのようなアイデアを生み出すのか、学生たちの学びが地域の方々との交流を通して深まっていく様子が伝わる授業でした。
成城のまち100年の歴史を振り返る
初期住民の出身地と職業について解説
コミュニティ作りについて図解する石神氏
学生からの質問にも答えていただきました
本記事は、2026年10月29日時点の取材内容に基づいています。
掲載情報は取材当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。