
NEWS
2026.10.20
調査から試作・検証、そして現地での対話へ
「どうすれば町の魅力が若い世代に届くのか」「子どもたちが地域をもっと好きになるには」「町を離れた若者が、再び戻りたいと思うには」。そんな問いに、社会イノベーション学部の学生たちが向き合いました。2026年度の「コミュニケーション・デザイン実践演習」では、北海道木古内町の地域課題をテーマに、3チームが解決策を考え、アイデアを実際に形にして、その反応を確かめました。
調べる、聞く、つくる、確かめる
「コミュニケーション・デザイン実践演習」は、社会課題の解決に必要な知識や手法を学び、課題の発見から解決策の提案・検証まで取り組む実践型の授業です。今年度は、成城大学と連携協定を結ぶ木古内町を対象に、受講生が5〜6人ずつのチームで調査を進め、町の方々へのオンラインインタビューも行いました。
7月21日の最終授業では、3チームが活動の成果を発表。木古内町の関係者にもオンラインで参加いただき、それぞれの提案に対して講評や助言をいただきました。
最終授業で成果を発表する学生たち(2026年7月21日)
3つのチームが取り組んだ課題
1:Instagramで、町の魅力を知るきっかけを
木古内町をまだ知らない若者に魅力を伝え、観光への関心を高めるため、Instagramの活用方法を提案しました。「観光スポット紹介」「日帰り旅のモデルコース」「インフルエンサー投稿」の3種類の投稿案を制作し、62人を対象にアンケートを実施。木古内町を知らなかった若者にも、町への興味を持ってもらうことができました。
2:絵本で、子どもと地域をつなぐ
町内の高校の閉校や若者の町外転出という課題に着目し、子どもたちが地域の行事に関心を持つきっかけとなる絵本を制作しました。小中学校への配布を提案するとともに、学生87人に絵本を読んでもらい、アンケートを実施。その結果、約9割が「絵本は小学生の地域理解に効果的」と回答しました。
3:TikTokで、ふるさとに戻りたくなるきっかけを
進学や就職で町を離れた若者が、木古内町へのUターンを考えるきっかけをつくろうと、TikTokを使った動画発信を検討しました。まず成城大学を題材に、自然を紹介する動画4本とVlog形式の動画1本を制作・投稿。Vlog動画は投稿から1週間で再生回数が2万5,000回を超えました。この試行で得た知見を、TikTokの運用マニュアルにまとめました。
木古内町からのフィードバックが、提案をさらに深める
最終発表では、木古内町の教育委員会から、SNSによる町外への情報発信は重要である一方、町民による継続的な運用や、魅力的なコンテンツを制作する体制には課題があるとの指摘がありました。また、学生たちの新鮮なアイデアが参考になるという言葉もいただきました。
3チームの提案は、「SNSを通じて町を知る」「地域への愛着を育む」「Uターンにつなげる」という一連の流れとして捉えられると評価されました。
木古内町の関係者からオンラインで講評を受ける様子(2026年7月21日)
現地で気づいた、インターネットではわからないこと
8月17日から19日には、受講生を代表する3人が成城大学データサイエンスサポーターとともに木古内町を訪問。18日には町民の方々に授業の成果を報告し、提案について意見を交わしました。
参加学生の感想には、海の資源の減少や高齢化によって地域の活動を続ける難しさなど、現地で初めて知った課題が挙げられました。一方で、「町民のみなさんは、町のことが大好きで、愛着をもって住まれていることが伝わってきた」という声もありました。
また、ある学生は「自分達の取り組みには改善点が多いと痛感した」と振り返る一方、町民の方々から提案を前向きに受け止めてもらえたことを喜んでいました。
成城大学データサイエンスサポーターとともに木古内町を訪問(2026年8月17日)
木古内町サラキ岬の見学(2026年8月18日)
町民の方々に提案を報告し、意見をいただく(2026年8月18日)
アイデアを形にし、地域の声から学ぶ
調べて終わるのではなく、解決策をつくって試し、地域の方々との対話を通して見直す。今回の演習は、学生たちにとって、地域課題に向き合うための試行錯誤と、現場から学ぶことの大切さを実感する機会となりました。