成城大学

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「成城 学びの森」オープン・カレッジ

過去の講座

2011年度
第3回小中千昭氏 講演会 「映像でしか語れない物語 映像では語れない物語 —ジャパニーズ・ホラーとウルトラマン—」

講演者
小中千昭 氏(脚本家・作家)
日程
12月3日(土)13:30〜15:30

講義内容

12月3日(土)、脚本家・作家でもある小中千昭氏を講師にお迎えして、今年第3回オープン・カレッジを開催いたしました。当日は生憎の空模様にもかかわらず、大勢の方にご参加いただき、また、多くの皆様からご好評を寄せていただきました。

小中氏の講演を聴き始めて、その語り口から、真摯で繊細な印象を受けた。
これは、小中氏がクリエーターである由縁であろうか。
講演を聴き進めていくうちに、この人は、フィルムを通して人の心に直接語りかける術を持っているのではないかと思えてきた。
ジャパニーズ・ホラーでは、「小中理論」と数々の監督から崇められ、また、ウルトラマン・ガイアでは、それまでのウルトラマンの軸であった「M78星雲人」という設定を、我々地球人が、自分の地球を守るために、我々の意思が創り出したものがウルトラマンという設定に変えてしまった。
この一見、極端に違うジャンルも小中氏を通して見れば、「こころ」を見つめてきた小中氏だからこそできたものであろうと気がついた。
ウルトラマン・ティガの最終回で、ほぼ命が絶えかけているティガであったが、テレビを観ている子ども達のティガを応援する気持ちがパワーとなって、蘇る。
そんなバカな、と思いながら、小中氏が言った、「小さい子ども達は、それが作り物だと知ったとしても、受けた影響は、彼らの心に刻まれ、人生に影響を与える。」「物づくりは、一過性ではなく、意識の中で沈殿し、心に残っていくもの。」という言葉が耳に残った。
講演が終わって、小中氏はこんなことをぼそっと呟いた。
「この講演をする事で自分の中でも、これからの事とこれからすべき事の区切りになる、重要な日だったのかもしれないと思っております。」

それにしても、小中氏の口から出た「浅沼先生の映画記号学」とは何だろう。
小中氏をして、自分の原点という浅沼先生、映画記号学を覗いてみたくなった。
そして、「私の講演の個人的主旨は、浅沼ゼミへのお礼という事がありました。」と最後に言った小中氏に心を熱くした。

【小中千昭氏講演会アンケートより抜粋】
◆小さい時からの映画に対する熱意、大人になってからの様々な仕事や取り組みがカタチになって、小中理論となって
結集したのであろう。記号学で捉える考え方など、大変興味深いお話であった。
◆映画の技法、理論的な枠組みを教えていただき、素晴らしかった。
◆恐怖とは、段階であるという言葉に、非常に感銘を受けました。人の心理に影響を及ぼすものの体系は、とても興味
深く、勉強になりました。
◆ホラーとウルトラマンへの小中哲学の一端をリアルに解説されていて、大変面白かったです。
◆深い知識と教養、考え方に触れられました。無料でお聴き出来たのが、本当に素晴らしい!
◆基本的なアカデミックな内容と、現代の実際の作品を例にした、より詳細な内容がバランス良く、大変楽しめました。
質疑応答も非常に充実していて、このような機会を用意していただいた事に感謝します。
◆十数年来の小中ファンである自分にとって、ご本人の口から、自らの作品、作風に対する言葉を聴けるというのは、
それだけで感激でした。
◆自分が全く興味のなかった、ホラーとウルトラマンについて、深く聴くことが出来て良かったです。新たな世界を知る
事が出来ました。
◆小中氏の持つ美学(哲学)に引き寄せられ、とても楽しく最後まで聴く事が出来ました。

お問い合わせ

「成城 学びの森」事務局
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