成城大学

成城大学

Twitter FaceBook instagram YouTube LINE note
CONTACT EN

NEWS

  • 2026.03.16

    松本少年刑務所を参観しました

 2026年3月10日(火)、センター長が松本少年刑務所を訪問、参観と解説を受け、教育部門関係者と意見交換を行いました。
 松本少年刑務所は長野県松本市に所在する少年再犯者や若年再犯受刑者を収容する施設ですが、日本で唯一、世界的にも例がない公立中学校を所内に有する刑事施設として知られています。全国の受刑者の中から中学校教育に適した受刑者が選ばれて入学、学習しています。1年間で中学校課程3年分の学習を行います。
 この中学校とは、松本市立旭町中学校の「分校」と位置付けられており、刑務所所在地が松本市桐であることから「桐分校」と名付けられ、昭和30(1955)年に開校しています。当時は収容者に義務教育を受けていない者が多かったという事情があります。
 平成22(2010)年にTBS系ドラマ「塀の中の中学校」が放映され(出演者:オダギリジョー、渡辺謙など)一躍有名になりましたが、このドラマは、桐分校で教官を勤めていた角谷敏夫さんの書かれた『刑務所の中の中学校』(2010、しなのき書房)が下敷きになっています。この学校を卒業した人数は770名以上だとされていますが、昨年度は開学以来初めて女子の分校生5名を迎え、センター長が訪問した前の週には今年度5名の卒業式が行われたばかりでした。
 今回の参観・意見交換は、センター客員研究員で同刑務所において受刑者プログラムの指導に関わる東本愛香・客員研究員(千葉大学特任講師)のご紹介で特別に実現したものです。矯正処遇部門や教育専門官など6名もの方々と実際に受刑者が取り組んでいるプログラムや課外活動の成果を見せていただいたり、女子分校生を受け入れる際のご苦労や工夫・対応などについてヒアリング等、通常の参観とは異なる特別なメニューを組んでいただき大変貴重な機会を与えていただくことが出来ました。
 受刑者に教育の機会を提供することがこれまで日本の刑事施設では広く行われることはなく、こうした特別の形で実現してきたわけですが、これからの拘禁刑の時代には、再犯防止と社会復帰に向けて松本少年刑務所で培われてきた実践がとても貴重な経験と知見を持つことになると思われます。

【参考】
「桐分校に新しい春が来た」
https://www.moj.go.jp/content/001418174.pdf 
法務省東京矯正管区更生支援企画課

「桐分校」
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/185/2207.html
松本市教育委員会

【報道】
70年の歴史で初…女性受刑者5人が卒業 全国で唯一「塀の中の中学校」松本少年刑務所の「桐分校」で卒業式 長野・松本市
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbc/1772004
SBC信越放送(2026年3月6日)

「もう、刑務所には戻らない」更生誓う 全国唯一の刑務所の中学卒業式 女性受刑者5人が卒業【長野・松本市】
https://news.ntv.co.jp/n/tsb/category/society/ts54384851873c4936b4d6d76984a6c9e4
テレビ信州NEWS(2026年3月6日)