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2024.10.23
2024年10月22日(火)、センター長・指宿信教授が担当している刑事政策の授業に、センター客員研究員の菅原直美研究員(弁護士)がゲストとして招かれました。
「治療的司法の実践とこれから-新しいワインに相応しい新しいボトルを求めて」と題して、これまでの弁護士としての経験から、犯罪者は世間一般が思っているような「残念な」人ではないこと、「犯罪者でいたい人などいない」ことや、再犯を防ぐことは社会にとって利益になるだけでなく本人にとっても利益になることなど、犯罪者や刑事司法に対する見方が変わるような話をしてくださいました。
授業後に、学生から次のようなコメントが寄せられました。
「知能的な障害や過酷な環境下による生い立ちによって発症してしまった依存症患者による犯罪がすべてその人の責任だとは思わなくなりました。そのような人たちの犯罪に及んだ背景や事情を理解しようとすることが、その人たちが社会復帰し、再犯を起こさないために必要なことであると感じました」(4年生 男子)
「弁護士という自分の夢をかなえ、保護司、弁護士として社会的弱者に寄り添い、さらに自分の分野を深めるために臨床心理士を目指されているとお聞きし、司法のことだけでなく、人生の生き方についても大変感銘をうけました」(3年生 女子)
「犯罪者でいたい人なんていない、というフレーズにハッとさせられました。虐待や依存性などの背景がある場合、弁護士しかそれを証明できないということにも考えさせられました」(3年生 女子)
「治療的司法に対する情熱に非常に感銘を受けた。実際に知的障害を持たれる方についての実際のケース、彼の表に出ていなかった特技など、経験されたご本人からしか聞けない話を聞くことができ、非常に自分とっても有益だった」(3年生 男子)
学生にとって、刑罰と刑事司法制度の在り方を考えさせる深い授業になったようです。