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2025.06.11
6月9日、社会イノベーション学部山本匡毅ゼミ(ゼミナールⅠ・3年生)では、世田谷区環境政策部気候危機対策課より戸頃沙俊氏と田中優輝氏をゲストスピーカーとしてお招きし、授業を行いました。
山本匡毅ゼミは「イノベーションと地域」をテーマとし、人口減少が進む地方圏における課題を解決するイノベーションについて、経済や産業、企業、大学といった様々な観点から研究を行っています。今回の授業では、世田谷区の脱炭素をめざした取り組みについて、特に成城地区における緑の保全と創出をテーマにレクチャーを受けました。
最初に、世田谷区は総面積のうち67.3%が宅地であるため、家庭から排出されるCO2の削減施策が重要であること、また、気候変動への関心が高い住民が9割にのぼる一方で、再生可能エネルギーの利用率は6.5%であることなど、世田谷区の現状と課題について知ることができました。
成城地区は世田谷区の中でも特に緑化が進んでいる地域であり、今年度から世田谷区初の脱炭素地域づくりモデル地区に制定されました。地域住民に対してアンケートを実施し、高齢化に伴って落ち葉清掃の担い手が不足している、子育て世代の集まれる場所が少ないなど、リアルな住民たちの声を参考にしながら、地域社会の課題解決を含めた脱炭素の実現を目指している内容が紹介されました。また、一定以上の高さや樹形が優れている木を保存するために助成する制度や、新築住宅の緑化に助成をする制度など、緑の保全と創出を支援する仕組みについても言及されました。
最後に学生たちがグループワークを行い、レクチャーを聞いて気付いたことや、世田谷区・成城地区で脱炭素化につながるアイデアについて話し合いました。学生たちからは「世田谷区は思っていた以上にいろいろな取り組みを実践しているが、それが知られていないのでもっと広報をしたほうがよい」といった感想や、「成城大学で落ち葉拾い大会を開催する」「30年後の成城地区をシミュレーションして可視化することで危機感を持ってもらう」「せたがやPay(地域限定電子通貨)で環境ポイントを付与する」など多様な視点からのアイデアが発表されました。
地球規模の環境問題と身近な地域社会の課題について、どちらも自分事として真剣に向き合っている学生たちの姿が印象的な授業でした。
左:戸頃沙俊氏、右:田中優輝氏
詳細なデータを用いてレクチャーしていただきました
感想やアイデアを話し合うグループワーク
付箋に各自の意見を書いてまとめます
学生の質問に答える講師のお二人
グループでまとめた意見を発表