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  • 2022.08.26

    経済学部・境 新一教授の著書『新事業創造のための発想法』が刊行されました

新事業創造のための発想法: 素人発想・玄人実行にもとづくブレインマップの手法

執筆者
境 新一(学部教授、2008年より成城学びの森・講師) 執筆箇所: はじめに、第Ⅰ部、第Ⅱ部
【素人発想・玄人実行編】&全体編集、おわりに
谷 真哉(本学大学院経済学研究科博士課程後期 在籍) 執筆箇所: 第Ⅱ【理論編】、第Ⅲ部
榎本 正(元企業経営者。成城学びの森・境講座を2010年より受講中) 執筆箇所: 第Ⅲ部

2022年8月29日発行
文眞堂
定価:2、970円(本体 2、700円+税)
ISBN  978-4-8309-5185-5
A5判 210頁


◆概要
本書は、ウィズ・コロナ、アフター・コロナ社会における私たちの価値観、行動などの変革をふまえて、失敗から成功への転換をはかり、SDGs/DXの展開にそった新たな事業創造を可能にする新たな発想法/プロデュース手法である、「ブレインマップ」を提起します。
特筆すべきことは、成城大学が生涯学習支援講座として展開する「成城学びの森コミュニティーカレッジ」において15年間、講座を担当している筆者が長年受講されている受講生の方々、特に元企業経営者の榎本正氏、本学大学院生の谷真哉氏との継続的なディスカッションと協力によってブレインマップがつくりだされた点です。
本書の要点は次の通りです。すなわち、持続可能な企業は、試行錯誤を経ながら、事業創造の成功確率を上げ、失敗を巧みに補填する力をもちます。そしてブレインマップは、素人発想・玄人実行、失敗要因の構造化、成功への転換を促す発想と形式知化、情報/論点の一覧性、原点回帰、未来から現在へのバックキャスト、物語構築、代替案のレイヤー化と柔軟な切り替えに特徴があり、その主な活用目的としては、①発想集約 ②情報整理③教唆・気付きの 3 つがあります。
なお、ブレインマップの実践事例については、過去2 年間に多数の学生や社会人にご協力をお願いして、複数の対面形式・演習ならびに遠隔形式で経験知を増やしました。現在から過去ならびに過去から未来を見据えて、未来の目標から現在のなすべきことを逆算するbackcastingは、決して容易なことではありません。しかし、上記の行為を経て、現在なすべきことも見えてきます。ブレインマップが今後、広く人々の使用に耐えるツールになることを期待します。なお、主な目次は以下の通りです。


◆主要目次
第Ⅰ部 新事業創造の基礎
【概要編】
1.SDGsとパンデミックに対応した公益実現の意義
2.資本主義社会の課題、格差問題
3.産業界の動向とポスト・コロナにおける新事業の展望
4.ニューノーマルへの対応
5.Society 5.0の定義と新たな社会:意義と課題 
6.DXの定義、DXとIT化の相違点 
7.SDGsとDXの関係:Society 5.0による連結
8.原点回帰の意味・方法・効果
9.現在・過去・未来:backcastingとforecasting
10.失敗から成功への転換
11.アイデアの軌道修正と短期間での意思決定
12.物語と発想法:発想と実行・実装
13.アート&ビジネス・プロデュースの意義:アートとネーチャー、サイエンス、ビジネスの連携
14.新規事業とビジネスモデル、6W2H
15.新規事業の着眼点、評価・検討の留意点

【注目の書籍 解題編】
1.渋沢栄一 『論語と算盤』:道徳経済合一説の意義、SDGsの共通点 
2.馬場粂夫『落穂拾い』:なぜなぜによる本質追求の起源
3.大野耐一『トヨタ生産方式』:なぜなぜによる課題解決の体系化
4.アンゾフ『企業戦略論』:成長マトリクス ポスト・コロナ時代、成長戦略の端緒
5.クリステンセン『イノベーションのジレンマ』:革新の内包する矛盾
6.オライリー/タッシュマン『両利きの経営』:二兎を追う経営、意義と課題
7.コッター『企業変革力』:リーダーシップによる変革創造
8.ティース『ダイナミック・ケイパビリティの企業理論』:経営資源の能力と新たな価値評価
9.リース『リーン・スタートアップ』:情報収集、方向転換、ビジネスモデル構築の迅速化
10.南場智子『不格好経営:チームDeNAの挑戦』:論理より感性、熱意
11.冨山和彦『コーポレート・トランスフォーメーション:日本の会社をつくり変える』:企業概念の再構築、社会革新の処方箋
12.西山圭太、 冨山和彦(解説)『DXの思考法 日本経済復活への最強戦略』:日本におけるDXの活用と業界の活性化
13.長尾真『教授退官記念誌』:科学技術の発展とビジネスの融合
14.金出武雄『独創はひらめかない 素人発想・玄人実行』:発想と物語
15.吉野彰『特別授業 ロウソクの科学』:面白さの発見と科学の社会貢献
16.畑村洋太郎『失敗学のすすめ』:失敗の構造化と可視化、真の課題解決


第Ⅱ部 発想法
【理論編】
1.個人の発想の重要性
2.多様な発想法
3.効果的な発想法

【素人発想・玄人実行編】
1.素人発想・玄人実行
2.発想法・思考法の発想と論理:三谷宏治『超図解 全思考法カタログ』による総括
3.新たな発想法:境 新一ほか「ブレインマップ」


第Ⅲ部 ブレインマップの実践
1.予測不可能な時代における新事業創造の必要性とブレインマップの意義
2.基本編
3.応用編