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2025.12.24
成城大学独自の海外インターンシップ制度である「成城グローバルキャリアプログラム」を実施いたしました。
「成城グローバルキャリアプログラム」とは、『グローバル人材』『社会人基礎力』などについて学び、各自の目標を設定する「事前学習」、夏休み期間を利用した約1~4週間の「海外インターンシップ実習」、帰国後、自分が計画通り実行できたのか、反省点など振り返る「事後学習」まで、約8か月間に及ぶ総合的なプログラムです。
今年度は、カナダ、タイ、ベトナム、マレーシア、香港、オーストラリアの6か国に合計14名の学生がプログラムに参加。旅行会社、食品会社、マーケティング会社など様々な業種でインターンシップを行いました。
12月5日(金)の事後報告会では、参加学生が夏のプログラムで得た学びや気付き、今後の学生生活の目標などを最終成果として発表。発表後には、インターンシップ受入企業のご担当者様(海外からのオンライン参加を含む)や中野副学長から講評をいただきました。
学生たちからは、異文化への理解と適応力、グローバル社会で働くために必要な主体性や行動力など、海外インターンシップだからこそ得られた多くの学びが語られました。
企業のご担当者様からご講評をいただきました
オンラインでの講評もあり海外の企業ご担当者様もご参加いただきました
副学長からの全体講評
集合写真
学生からのコメント
本プログラムで最も印象に残っているのは、インターンシップと事前・事後の追加講座が有機的につながっていた点です。オーストラリアでのインターンシップでは、転職希望者と企業をつなぐ面談補助やスカウト業務などを通じて、英語を「使う」だけでなく、「相手を理解するための手段」として活用する経験を積みました。一方、追加講座では、海外でのインターンシップに臨む上での心構えや目的意識を整理する機会があり、現地での学びをより深く捉える手助けとなりました。現地で得た気づきを振り返り、言語化する場があったからこそ、経験を確かな成長として定着させることができたと感じています。
参加前は、「英語を正しく話せるか」「海外の職場で通用するのか」という不安が先行していました。しかし、実際にインターンシップを経験する中で、完璧な語学力以上に大切なのは、相手を理解しようとする姿勢や主体性であると実感しました。英語が母語でない転職希望者や、多国籍のインターン生との関わりを通じて、「伝える努力」そのものが信頼関係につながることを学びました。参加後は、「まず挑戦してみる」「環境から学び取る」という前向きな意識へと変化し、海外で働くことに対する心理的なハードルが下がったと感じています。
今後は、語学力の向上に加えて、自分の意見や考えを英語で主体的に発信できる力を伸ばしていきたいと考えています。インターンシップを通じて、言葉の正確さ以上に、背景や目的を踏まえて相手に伝えようとする姿勢が重要だと学びました。そのためにも、日々の学習や経験を振り返り、自分の考えを整理し言語化する習慣を継続していきたいです。
本プログラムを通じて「英語を使えるようになる」ことから、「英語で自分を表現できるようになる」第一歩を踏み出すことができました。また、Excelなどを英語環境で使う経験は、日本では得られることができない学びとなりました。分からないことをそのままにせず、質問し、理解を深めたことが成長につながったと感じています。本当に同僚と他国インターン生に感謝しています。
(文芸学部英文学科3年 村岡 璃輝)
現地でのプレゼンテーションにおいて、チームとして優秀賞を受賞しました。新規ビジネスの提案として、私たちはマレーシア国内における糖尿病の罹患率の高さと経済格差に着目し、貧困層の健康を支える「健康食のサブスクリプションサービス」を提案しました。私が発案しましたが、チーム内には「より新規性を重視すべきだ」という意見もあり、方向性をめぐって対立が生じました。私は、実現可能性こそが重要であると訴え、データや現地の生活背景を基にメンバーと議論を重ねました。その結果、各人の視点を取り入れながら具体化し、実現可能性と社会的意義を両立した提案へと磨き上げることができました。ハイレベルな学生と意見を交わす中で、自分一人では気づかなかった視点とチームで議論を重ねることの価値を学びました。
この経験を通して、自分の可能性を信じ、困難を自分の力で乗り越えられるという自信が身につきました。私は、これまで留学経験はなく、言語の壁に強い不安を感じていました。しかし、拙い英語であっても「伝えよう」と話すことで、相手は意図をくみ取ってくれることを実感しました。「英語が話せないから無理だ」と諦めていたら、この気づきは得られなかったと思います。やる前から先入観で可能性を狭めることなく、さまざまなことに積極的に挑戦していきたいと考えています。
また、日本とは異なる文化や生活スタイルを学ぶだけでなく、発展途上国の現実を自分の目で見たことで、大きな衝撃を受けました。実際に同行していた仲間がスリの被害に遭ったり、物乞いに追いかけられたりする経験を通して、貧困という終わりの見えない社会課題を身近に感じました。海外で働く意義は単なる語学力の向上にとどまらず、社会課題を肌で感じることだと考えます。今後は、学びをさらに深めるためにも、長期留学に挑戦したいです。
本プログラムは、就職活動を意識し始める大学生だからこそ、ぜひ経験してほしいと思います。日本と海外における働き方の違いを肌で学ぶことができました。特に、日本人の几帳面さや責任感の強さ、時間に対する厳しさは、他国にはない点です。一方で、海外では柔軟さや人との関係性を重視する文化が根付いており、必ずしも日本の常識が世界の常識ではないことにも気づかされました。自身の価値観を相対化し、多様な考え方を受け入れる姿勢が身についたと感じています。今後の就職活動において企業や仕事を選ぶ際の判断軸となるだけでなく、将来社会人として働く上でも必ず生かせると考えます。このような貴重な機会をいただけたことに、心から感謝しています。
(社会イノベーション学部政策イノベーション学科3年 村田叶)