深澤 晶久 非常勤講師「キャリア形成Ⅱ<リーダーシップ>」
グループワークを通じてリーダーシップを実体験する授業
氏 名 :深澤 晶久(ふかざわ あきひさ)
職 名 :非常勤講師(実践女子大学 文学部 教授/学長補佐)
専門分野:経営学、キャリア教育
対象者 :全学部1~4年生
授業形態:演習
実施学期:2020年度前期
実施方法:Zoomを活用したリアルタイム授業
履修者数:24 名
※ページ内のpoint!は授業のポイントです
当該授業は、2019年度「授業改善アンケート」の回答率ならびに一部の設問の評点を基準に決定される「ベストティーチャー賞」を受賞した授業であり、学生から高く評価された授業である。
授業内容と具体的授業手法について
本授業は、産業界で求められる人材像を理解し、「リーダーシップ」の必要性を認識し、これからの学生生活の具体的な行動計画を立案できるようにすることを到達目標としている。全15回の授業受講後、21世紀の社会を生き抜くために必要とされる「主体性」「思考力」について自ら考えることができるようになる学生を生み出していくことも目標となっている。
この度は、従来の対面授業として実施していた授業内容についてご紹介させていただく。まず、履修者に対して、「楽しく学べて、多くの気づきを得られる、そんな授業を目指します。教員と学生、履修している学生と学生の距離の近い雰囲気での授業に挑戦したいと考えています。主体性を身につけたい、コミュニケーション能力に磨きをかけたい、そんな学生の履修を期待します。」との言葉がシラバスに記載されており、志の高い学生たちが集う授業となっている。
授業内容は講義とグループワークを組み合わせ、教員と学生のインタラクティブなコミュニケーションが重視されたものとなっている。グループワーク中のディスカッションにおいて、学生相互に意見を伝え、考え、方向性を導き出していくことも重視されている。
全15回の授業のうち、授業科目名でもある「リーダーシップ」については前半で学び、その後、「仕事を知る」「企業を知る」というテーマのもと、各回3週ずつのグループワーク中心の授業が実施されるが、これらは、「リーダーシップ」を学生たちに実体験してもらう機会となっている。企業の業務内容を研究し、グループごとにプレゼン資料をまとめ、最後に企業の方も含めて全員の前でプレゼンを行う。学生同士は、企業研究を行う中で各種の意見に触れ、切磋琢磨し、プレゼン当日までに資料をまとめることとなる。自然と授業時間外にグループで集まって話し合う姿が見られ、グループリーダーやそれをフォローする役など、話し合いの中で役割が発生していく。また、プレゼン当日は企業の方もいらっしゃるため、社会人を相手にプレゼンを行う経験が2回も準備されている本授業は、学生たちには大変価値のある時間となる。
全15回の授業が終了する際、先生からは学生一人ひとりにメッセージカードが配られる。受講学生全員で撮影した写真とともに、今後の学生生活で大切にしてもらいたい志についてのメッセージが書かれている。教員生活を始めてから、ずっと作成されているというこのメッセージカードは、通算で数えきれないほどの数になっている。また、この度インタビューに対応してくれた受講学生たちも、手帳にはさんでメッセージカードを大切に持ち歩いているとのことであった。グループワークと企業の方を相手にしたプレゼンはとても大変ではあるが、自分はできた!やりきった!という自信につながり、カードを見ることでその時の気持ちが沸き上がるとのことであった。その貴重なメッセージカードも、以下に掲載させていただくこととする。
教員インタビュー(Q&A)
Q.授業のポイントを教えてください。
A. 21世紀の社会を生き抜くために最も必要とされる「主体性」と「思考力」を基本に、自ら考えることができる人材に成長できることを目標としています。視野を広げることを狙いに、授業では、企業や留学、就活といった、社会との連携を試みる内容にしています。
仕事を知ること、そして会社を知ることというストーリーを基本に、2回のグループワークを学生たちに体験してもらっています。仕事や会社を知るために協力いただいた企業は、資生堂とオリエンタルランドで、学生たちのプレゼンにも同席いただきました。マーケティングや企業研究をテーマとして、学生たちに新たな視点が身につくよう、グループワークでは学年、学部もバラバラで行うこととし、このグループワークを通じて、リーダーシップ、フォロワーシップを体験しながら学び、身につくようなしくみにしました。
Q. 授業時間内の学生との関わり方を教えてください。
A. 毎回の授業でアンケートを実施し、毎回コメントを返信することで、可能な限り学生たちとインタラクティブな関係が築けるよう、コミュニケーションを行いました。
Q. 授業準備の詳細について教えてください。
A. 2020年度の授業においては、コロナ禍ということもあり、全てのコマでZoomを活用しました。ブレイクアウトセッション、アンケート機能、ホワイトボード、投票などの機能を活用しました。
授業中には、Zoomで双方向型のコミュニケーションをとりながら実施しました。
Q. 学生への期待を教えてください。
A. 主体性と人を巻き込む「思考力」こそが、これからの社会で求められると考えています。そのためには、あらゆる活動において「自ら考え、行動して、やりきる」ことを習慣化してほしいです。とにかく行動あるのみ!コロナ禍で制約も多いとは思いますが、工夫して動くことを意識してほしいです。やはり、切り札は「人脈」。
成城大学の非常勤講師として授業を受け持たせていただいた初年度に実施された「新任教員研修会」において、学長の戸部先生がおっしゃった「とにかく先生が楽しんで授業を行ってほしい。先生が楽しくない授業は、学生が楽しいはずがない」という言葉が強く響き、この教えに従って授業を行っています。
それから、学生の皆さんには、母校に誇りを持ってほしいと思っています。なぜなら「大学の価値は卒業生が決める」からです。「しっかり勉強し、充実した学生生活を過ごして社会に飛び立つ!社会で活躍する!そんな先輩の姿を目標に現役の学生ががんばり、成長していく。その姿を見る高校生が成城大学を目指す」この循環を創り上げることが大切だと思っています。
学生インタビュー(Q&A)
Q. この授業を履修したきっかけは何ですか?
A. キャリアサポーターとして活動していたので、それを活かせる授業を履修したくてシラバスから探し、履修しました。「リーダーシップ」といったキーワードに惹かれました。
A. 友人が1年生の時に履修しておススメされたので、2年次に受講しました。3年生の受講生が多く、就職活動の動きなどを聞くことができてとても参考になりました。先輩との関係においても、受講してよかったと思っています。
Q. 授業の前後で何か自分に変化がありましたか?
A. まず視野が広くなりました!授業中のグループワークでは意見交換で反論も出たり、議論を繰り返したり、自分の考えが広がるきっかけになりました。また、ゲストスピーカーの方のお話を伺い、もっと視野を広げたいと感じて短期留学にも行きました!現地の人とのコミュニケーションでは英語の勉強にもなり、帰国してから、自らの考え方に変化が出ました。
A. 部活の日々でしたが、授業を通じて就活を考えるようになりました。ゲストスピーカーから資格に関するお話を伺い、2年生でも参加できるインターンに応募し、参加することにしました!大きな1歩になったと思っています。
Q. 他の学生へのメッセージがあれば教えてください。
A. 学生のことを常に考えてくれる先生です!就活でリードしたい、自己実現をしたい、プレゼンがうまくなりたい!と思っている人におススメの授業です。先生と出会えたことが大きな価値だと感じます!
A. 毎回グループを変えてグループワークをします。再びグループが一緒になった時、お互いに成長を確認できる場面も!週1回のこの授業が、大学生活の中ではとても刺激的でした。自分の得意分野も増えますよ!
※インタビューは2名の学生にご協力いただきました。
全15 回授業の流れ
①リーダーシップについて<3週>
②仕事を知る<3週>
③リーダーシップとコミュニケーション<1週>
④企業を知る<3週>
⑤多様性、ダイバーシティについて。オリンピック・パラリンピックをもとに考える<3週>
⑥課題、まとめ<2週>