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山本 理奈 准教授「社会学」

視聴覚教材の活用と双方向的なコミュニケーションを通じて学ぶ「社会学入門」

山本 理奈 准教授「社会学」

教員基本情報

氏 名 :山本 理奈(やまもと りな)

所 属 :社会イノベーション学部

職 名 :准教授

専門分野:社会学

授業概要

対象者 :社会イノベーション学部 1~2年生

授業形態:講義

実施学期:2020年度通年

実施方法:Zoomを活用したリアルタイム授業(一部、オンデマンド授業を実施)

履修者数:109 名

※ページ内のpoint!は授業のポイントです

当該授業は、2019年度「授業改善アンケート」において、回収率67.6%、「この授業は総合的に判断して自分にとって有意義だった」という設問では5点満点中4.12という、学生から高く評価された授業である。

授業の内容について

 本授業は社会イノベーション学部の1~2年生を対象とした基礎科目である。

【授業の目的】

 社会学の基礎概念および現代社会の基礎理論を学ぶことを通して、私たちの生きる現代日本社会とはどのような社会であるのかを考察し、「社会学的なものの見方」を身につけることを到達目標としている。

【授業の進め方・工夫点】

 当該授業は通年科目である。今年度新型コロナウイルス感染症対策のため、授業がオンラインとなった。
 前期はZoomによるリアルタイム配信型授業を行い、後期は受講者の要望を受け、リアルタイム配信型とオンデマンド型をミックスした形で授業が行われた。
 また、定期試験がレポート課題の提出となったため、前期イントロダクションの後、2回にわたりレポート課題の作成についての講義が行われた。
 1~2年生を対象とした授業であるため、レポートに不慣れな学生もいる中、授業計画のはじめにゴールとなるレポート課題の作成について説明することで、学生が不安なく授業を受け、授業に集中するための準備が整えられたという印象を受けた。
 学生に寄り添った対応は、教材の中にも多く見ることができた。例年のような対面式の授業では、学生には講義を聞きながらノートを取ることを課している。本年度はオンライン授業に対応するための補助教材として、以下の3要素から構成されたレジュメを配付した。対面であると、教室の雰囲気やその時の状況に合わせた細かいニュアンスなどを織り交ぜ、ポイントを伝えることができるが、オンライン授業ではその点がなかなかに困難である。補助教材を用意することで、学生がノートに取るポイントを把握しやすくなり、対面授業と遜色ない伝達が可能となっていることがうかがわれた。

 遠隔授業実施以前より、抽象的な社会学の「概念」を、視聴覚教材を活用することでイメージしやすくしたり、リアクションペーパーや授業内での発言を元に授業内で学生とコミュニケーション頻繁に取るなど、学生を第一に考えた授業運営が行われていた。
 オンライン授業においても、Zoomのチャット機能や個人とのやり取りから、WebClassを活用することで、全体での意見交換の場まで、広くコミュニケーションの場が設けられ、教員と学生、また、授業全体のつながりは、対面授業と遜色ないものと感じられた。
 補助教材の提示、学生からの意見・要望に素早く対応することで、対面授業と変わらない授業理解を促す工夫がうかがわれた。
 当該授業前期は「社会とはなにか」という問いをめぐり、これまで提示されてきた社会学の古典的な基礎概念、および隣接学問領域の重要概念を学んだ。
 概念という、把握が困難と思われる内容をどのように学生に伝達しているのか、授業でのスライド、レジュメを元に取材を進めた。

レジュメ3要素

①本来は、ノートに取るべき内容
②予習復習のための、関連文献からの引用
③講義用スライドの一部

第6回目の授業では、フランスの社会学者デュルケームの著書『自殺論』から、社会学の基礎概念を学んだ。

  • レジュメ
    レジュメ

  • スライド
    スライド

  • レジュメ
    レジュメ

  • スライド
    スライド

授業スライド(視覚的教材)とレジュメ(オンライン授業化に伴う補助教材)を連動させている。
更にレジュメに参考文献の文章を挿入する事で、スライドのキーワードがどういった内容を要約したものかが見えてくる。
学生はスライドによって「概念」にイメージをつけ、それが更に詳しい文章を理解するための導入剤となる。二つの教材は授業理解を深めていく上での相乗効果をもたらすアイテムであると感じた。

教員インタビュー(Q&A)

Q.授業のポイントを教えてください。

A. 少人数の講義やゼミでは、必ず一人ひとりの顔と名前を覚えて授業を行っています。本授業は、受講者数が100名を超える大講義なので、その対応は難しいのですが、一人ひとりのニーズや関心を把握するために、授業内容に関するリアクションペーパーを書いてもらい、書かれた声を紹介するようにしています。また、私の方から質問を全員に投げかけ、マイクを回して発言してもらったり、双方向的なコミュニケーションを大切にしています。

Q. 授業への心がけを教えてください。

A. 知識伝達型の授業においても、なるべく視聴覚教材を使用するように心がけています。PowerPointのスライドに図表や写真を入れたり、動画へのリンクを随所に挿入したりすることを通して、抽象的な概念であっても、イメージをつかむことができるように工夫しています。
 また、ノートを取ってもらうためのスライドと、補足説明のためのスライドを分けて、準備しています。

Q. 遠隔授業期間中に活用したツールがあれば教えてください。

A. 講義中の質問については、Zoomのチャット機能を使用して、個別にやりとりを行っています。また、質問者の了承を得た場合に限り、チャットの内容を口頭で読みあげ、受講者全員と共有するようにしています。つぎに、講義後の質問については、WebClassのメッセージ機能を使って個別に応えるとともに、WebClassの掲示板を使用して全員と質疑応答の内容を共有しています。

Q. 学生への期待を教えてください。

A. 自分にとって、ほんとうに切実で大切な問題というのは、どこかで、同じ社会を生きる他の人びとの大切な問題とつながっているのではないでしょうか。いいかえれば、「自分の問い」を考え抜くことを通して、それを個人の問題だけではなく、社会の問題と交叉させて考え、他者との関係をより豊かにしていけるような力を、身につけて欲しいと願っています。学生の一人ひとりが「自分の問い」を発見し、社会学的な視点からそれを深める機会を持つことができるように、力を尽くしてサポートしていきたいと考えています。

学生インタビュー(Q&A)

Q. この授業を履修したきっかけは何ですか?

A. 心理社会学科で、自分が心理学と社会学のどちらに興味があるのか、また「社会学」とはどのような学問なのかを知りたかったため履修しました。

A. シラバスにある「社会学的なものの見方」とは、と思ったことがきっかけです。また、自分が生活する社会について知りたかったので履修しました。

A. 現代社会に抱く問題意識に基づいて、自分の興味の赴くままに好きなことを探求できる「社会学」そのものにも大きな可能性と魅力を感じ、履修を決めました。

Q. 印象に残った授業はありますか?

A. 水俣病のテーマの際に映画を鑑賞し、先生が現地に行かれて見たものを写真で伝えてくださり、内容をよく理解できました。

A. 消費社会の変容についての内容が印象的です。米国の大手自動車メーカーであるGMとフォードを例に挙げ、それぞれの特徴や人々の暮らしの変化から消費社会が変わっていく過程をみることができて面白いと感じました。

A. 「住宅が果たした役割」が扱われた回です。身近に当たり前にあるものが大量生産、消費の社会で生み出された概念で大衆消費社会を生きる人々の軌跡といえることを実感しました。消費社会論の基礎を知ることにも繋がったと思います。住環境に興味を持っていたのですが、社会学と住居学の思わぬ接点に驚き、ますます社会学に関心を持ちました。

Q. 他の学生へのメッセージがあれば教えてください。

A. 知らないうちに生まれた社会規範や「こうしなければならない」というような暗黙の決まりなど、社会の見えない力について注意深く考えるようになりました。

A. 社会を今までにない角度から見ることで新たな発見をしたり「これも社会学なんだ!」と感じることが多くあり、社会自体への関心が高くなりました。

A. 社会学的なものの見方とは何かを感じることができたと思います。
提示される課題では、「自分なりの意見」を求められます。先生の、「たとえWikipediaの情報が正確だとしても、自分なりに考えた意見はWikipedia から情報を写してきたものよりも何倍も価値がある」という言葉が印象的で、自分の考えは大切にしようと、自分自身を信じることができるようになりました。

Q. 先生へのメッセージをお願いします!

A. スライドが見やすく、内容の重要度がとてもわかりやすいです!ノートを取るべきところとそうでないところがわかりやすいです!
また、受講生に質問やわからないところがあるかなどを頻繁に聞いてくださるため、わからないことがあるときにとても聞きやすいです。
私は自分のやりたいことがあまり決まっていませんでしたが、先生が「何をやっても社会学」と言ってくださったため、積極的に色々な事実について考えるようになりました!
毎週静かに集中して受講できる授業でした!

A. 授業の進め方や課題について学生の意見を常に考慮してくださるので、レポートなど負担にならずどの分野も関心を持って取り組めました!先生の話し方や雰囲気が真矢ミキさんに似ていて好きです(笑)

A. 聞いている私たちが理解することを第一に考えて、いつも丁寧に説明してくださってありがとうございます。毎回、先生の視野は広く、深い考え方に圧倒させられています。先生と同じ立場に立って議論できる日はまだまだ先だとは思いますが、私も様々な角度から現代社会について考える広い見方を身につけたいと思います。よろしくお願い致します。

※インタビューは3名の学生にご協力いただきました。