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新倉 貴仁 准教授「WRDⅡ〈RE〉2」

課題の提示・回収、授業のふりかえり等、
WebClassの活用を通じて学生の“書く力”を育成!

新倉 貴仁 准教授「WRDⅡ〈RE〉2」

教員基本情報

氏 名 :新倉 貴仁(にいくら たかひと)

所 属 :文芸学部

職 名 :准教授

専門分野:社会学

授業概要

対象者 :文芸学部1年生

授業形態:演習

実施学期:2020年度後期

実施方法:Zoomを活用したリアルタイム授業

履修者数:13 名

※ページ内のpoint!は授業のポイントです

授業内容と取材当日の授業について

 本授業は、全学共通教育科目として開設されている授業であり、特に文芸学部では必修科目である。大学での学びは、自ら問題の所在をあきらかにし、思考をめぐらせ、自らの言葉で表現するものであり、「WRD」の科目では、これらの姿勢を習得するため、「Write(書く)、Read(読む)、Debate(議論する)」を中心に、論文が書けるようになることを到達目標としている。
 前期開設の「WRDⅠ」における学びを踏まえ、後期開設の「WRDⅡ」では、その学びの内容を深化させるためのコース設定がなされており、「観察する(インタビュー)ことを通してリサーチのおもしろさを実感する」という〈RE〉コースが本授業である。マスコミュニケーション学科の学生としては、必修授業である。
 なお、本授業は文芸学部マスコミュニケーション学科の南保輔教授がデザインし、コーディネートを行っている。複数教員により同時限に複数クラスが開講されているため、授業内容や資料、進度の統一を図るため、各回の授業前後に、毎回、教員間での打ち合わせが行われている。この度の授業取材においては、授業のみならず、事前事後の教員間の打ち合わせ(Zoom)にもお邪魔させていただいた。

2020年12月17日のリアルタイム授業(Zoom)は、以下の流れで進められた。

授業の流れ

〈授業前 教員間打ち合わせ〉 (約30 分間)※担当教員とTAの合計8名

①掲示用資料を画面共有しながら本日の授業内容を確認

②授業のポイント部分を共有

③次週授業の課題を確認

〈授業〉

①インストラクション、ビデオON の依頼〈10 分〉

②学生各自のテーマを確認〈5分〉

③グループディスカッション〈35 分〉

④結果の共有とレクチャー〈25 分〉

⑤グループディスカッションと結果共有〈10 分〉

⑥来週までの課題と留意点について〈5分〉

〈授業後 教員間打ち合わせ〉(約10 分間)

①各クラスの進捗、出欠確認

②進度のずれに関する具体的な確認

③教員間での質疑応答

 取材当日はZoomによるリアルタイム配信によって授業が行われていた。本授業ではWebClass を活用しており、オンラインへの接続不良となった学生から、WebClass を通じて教員へ連絡が届いていた。このような不測の事態に対し、教員との連絡手段をあらかじめ決めている点について、オンライン授業における配慮がなされていると感じた。
 取材に伺った授業回では、学生たちが行った「インタビュー」と、その内容を文字におこした「語り」がメインテーマであった。20 問ほどの質問項目を準備し、インタビューする相手も学生が決めているため、テーマは様々な設定となっており、それらのテーマを教員が学生たちに確認することから授業が始まった。学生が順々にテーマを発言していくたびに、教員は画面共有している資料にテーマを打ち込み、学生たちに可視化していた。

〈グループディスカッション①〉
 WebClass に載っているグループメンバー全員分の「語り」を10 分間で読み、相互に感想を伝え合うなどの意見交換が行われた。グループ内では司会担当の学生が積極的に進行していき、活発に意見交換が行われていた。学生たちが作成した「語り」の文量は、2,000 〜5,000 字ほどと幅があるが、文字量が少ないから情報が少ないというわけではなく、うまくまとめられているケースもあり、1年次で初めて取り組んだ課題にもかかわらず、大変よいものが出来上がっているとのことであった。
 その後、メインルームに全員が戻り、各グループでの話し合い内容が共有された。教員が各グループを指名し、発表者の学生が報告を行っていた。「語り」を読んでみてどうだったか、「語り」を作成してみてどうだったか、それぞれの視点をグループ内で話し合ってもらい、学生たちには多くの気づきがあった様子が伺われた。

〈グループディスカッション②〉
 「グループ内の代表作」となる「語り」を1つ決めてほしい、と教員から指示が出て、グループでの話し合いが行われた。教員からは、多数決の人気投票にならないこと、よかった点とその理由を明確にすること、というルールが明示され、各グループでは「自分にはできないテーマ設定になっていて、タイトルに惹かれた」「用語の注釈が入っていて、読み手に対して丁寧さを感じた」「導入部分の書き方が上手だった」等、代表作にしたいと思う「語り」のよい部分を明確に伝え合っていることが印象的であった。
 グループディスカッションが終わり、メインルームで各グループの代表作について学生たちから報告があった。代表作はWebClass に掲載するので、指定の日までに各自で読み、WebClass 上で投票するように、との指示が出された。

新倉 貴仁 准教授「WRDⅡ〈RE〉2」

◆授業における使用教材◆
WebClassを活用し、「会議室」と「公開レポート」の枠組みを作成。次回授業までに読む文献の案内等も行っている。特に「会議室」は学生がコメントを書く場所であり、授業の「ふりかえり」、課題図書を読んだ感想等に活用している。

〈まとめ〉
 次週の授業からは長文を執筆する「第二小論文」に取り組むことになるため、それに向けてのレクチャーが行われた。今後の作業として、①インタビューした相手については匿名化すること、②読み手のことを考え、長すぎる文章にならないように気をつけること、③上手に書いた人の書き方を真似してみる、といった留意点が明示され、授業が終了となった。
 授業全体を通して、教員は説明を行う中で、「ここまでで質問のある人」「いまの説明で不明な点はあるか」等、度々学生たちに聞くことで、学生の理解を確認しながら授業を進めている点が印象的であった。

新倉 貴仁 准教授「WRDⅡ〈RE〉2」

教員インタビュー(Q&A)

Q.オンライン授業のポイントについて教えてください。

新倉 貴仁 准教授「WRDⅡ〈RE〉2」

A. WRD は、基本的にグループワーク中心の授業です。昨年までの対面授業では、グループワークの際、学生間で「司会者」「発表者」「書記(ホワイトボードに記録)」といった役割分担をしていましたが、現在、Zoomを活用したオンライン授業においては、「書記」に関しては、各自でメモをとるように変更しています。各自でメモを取ってもらう形で特段問題も出ていませんし、学生たちにとっては、相手の話を聞いてメモをするトレーニングにもなると思っています。
 この他、各グループのブレイクアウトルームに入らないように配慮しています。教員がグループに入ってしまうと、学生間の議論が止まったり、言いたいことが言えなくなったりしてしまうのでは、と思い、メインルームに待機しています。学生間の話し合いは気になるので、その後の報告で、どの程度話し合えたのか、しっかり確認して、不足する視点には的確にコメントをして対応するようにしています。

Q. 学生たちの書く力について、先生のお考えを教えてください。

A. 本授業では、7,000字の論文を2本、学生に書いてもらっています。1年次には大変な作業だと感じるかもしれませんが、卒論では20,000字書いてもらうため、早い段階から、よいトレーニングになるだろうと感じています。現在、オンライン授業になっていますが、今年の学生たちは大変熱心に課題に取り組んでいる姿が印象的で、提出される論文も、とても出来がよいものだと感じます。

Q. 授業の事前事後における教員間ミーティングについて教えてください。

A. 対面授業を実施していた頃も、授業開始前に文芸学部の共同研究室で行っていました。主に、当日の授業の進捗確認のほか、配付資料を共有していました。現在、コロナ禍においても、Zoomを活用して教員間でのミーティングが実施できており、授業の資料共有や進捗確認もスムーズに行われ、オンライン授業にうまくシフトできたと感じています。

Q. 学生への期待を教えてください。

A. 「フィールド調査」を大切にしてほしいと思っています。スーパーやカフェなど、日常の中でも観察することを大切にしてほしいと思います。また、自分の知らない場所に行って、新しい経験も得てほしいし、知っている場所だとしても好奇心を高めてほしい!学びの中でこのような力を伸ばして、今後の学びに役立ててほしいと感じています。

学生インタビュー(Q&A)

Q. この授業のよいところはどんなところですか?

A. まだ1 年生であるにも関わらず、実際に自分の足でフィールド調査を行い、約7,000 文字の論文として書き上げる練習ができるところです。

A. 論文を書く力だけでなく、資料から情報を読み取る力や、自ら観察調査する力もつけることができる点です。実際にある場所に出向いて観察する課題やインタビューをする課題があり、実践的な学びができていると感じます。また、クラス内は4つのグループに分かれており、課題や授業で取り扱った内容について話し合う時間も設けられているため、他の人の意見に刺激を受けながら自分の考えをより深めることができ、積極的に発言するようにしています。私は国文学科なのでマスコミュニケーション学科の必修であるこの授業をとることに少し抵抗はありましたが、参加できてよかったです。

A. 小論文や、授業中の発言など、よかった部分を先生にしっかり評価していただける点です。どんなに小さなことでも、先生が気づいて評価してくださり、その上、とても丁寧に説明していただけるので、授業が理解しやすいと感じます。

Q. 授業の参加にあたり、準備にどれくらいの時間が必要ですか?

A. 小論文だけでなく、フィールド調査やインタビューのアポイントメントをとるなど、細かい準備が必要です。正確に時間にするのは難しいですが、授業時間の2倍くらい、準備時間がかかっていると思います。

A. 毎週出される授業の振り返りや資料から読み取ったことを書く課題、次回の授業への準備に、2 時間から2 時間半かかっています。「観察調査をしてフィールドノーツを作成する課題」「インタビューをして文章化する課題」には、準備も含めて4~5時間ほどかかるものもあります。小論文課題(3,000字以上を新たに書く)には5~6時間ほどかかります。日ごろの課題をしっかりこなしていれば内容には困りませんが、完成度の高いものを作ろうとすると時間がかかるので、計画的に進めるよう心がけています。

A. 授業内容の週によって変わりますが、インタビューを行ったり、町で観察調査を行ったり、小論文の課題がある時は、特別に時間がかかります。通常は、次の授業に関わる動画や文献を読むため、1~2時間かけて準備しています。

Q. 印象に残っている授業内容はありますか?

A. 毎回大きな小論文を書く前、先生が一人ひとりにテーマを聞いてくださることです。そこで先生からアドバイスをいただけることもありますし、他学生のテーマも聞いて参考にすることもでき、このやり方がとてもいいと感じています。

A. 2回にわたる観察調査とフィールドノーツ作成が印象に残っています。観察場所を自分で決めて、1回目は視覚から得られる情報、2回目は視覚と聴覚から得られる情報を、実際に現地に出向いて観察しました。観察で得た情報は、フィールドノーツとして他者にも伝わるように文章化します。初めての経験で難しい点もありましたが、観察調査の力とともに伝わりやすい文章を書く力もつけることができたと思います。グループメンバーの作品にもそれぞれ個性があり、お互いの作品にコメントすることで高め合うことができました。

A. 授業の課題として、友人に、とあるテーマについてインタビューを行いました。その友人について今まで知らなかった側面を知る機会になったため、その課題が出た授業が印象に残っています。

※インタビューは3名の学生にご協力いただきました。