体験レポート

シェフィールド大学に留学して

文芸学部英文学科 O・C

私が興味・関心を持つ小説や絵本などはなぜかイギリスのものが多く、いつしかイギリス文学を現地で学びたいと思うようになりました。シェフィールド大学に留学が決まったときは本当に嬉しかったです。
シェフィールドはイギリスのほぼ中央に位置するイングランドで4番目に大きな都市です。シェフィールド大学は街の中心部に隣接する総合大学ですが、近代的な建物の中に点在する古い建物からもその歴史を感じることができます。学内は大きなリュックに本を詰めて歩く学生の姿が多く見られ、総じてみな勤勉です。学部の授業が始まる直前の留学生のためのオリエンテーションで、シェフィールド大学で学ぶために世界およそ120カ国から留学生が集まってくることを知り、世界レベルの大学であることを実感しました。



私が滞在した学生寮の部屋はバス・トイレ付きの個室、キッチンは4人で共有しました。フラットメイトはフランス人(政治学専攻)、スペイン人(法学専攻)、イギリス人(医学専攻)と私の4人でした。夕食を食べた後はよくキッチンで一緒にテレビを見ました。そのときはもちろん英語で話しますが、部屋に戻り家族とスカイプ(インターネット電話)で話すときはそれぞれ母国語になるので、スペイン語・フランス語・日本語・英語が飛び交います。そんなときは世界を感じる瞬間でした。
シェフィールド大学での授業は英語学・英文学・哲学などを取りました。好きで取った英文学が実は一番大変でした。例えばシェイクスピアの授業では毎週新しい戯曲についてディスカッションします。比較するために他の作品も読むため、合わせて約4冊の戯曲を一週間で読まなければなりませんでした。特にシェイクスピアなどのルネサンス期の作品は現代英語と言葉使いが異なり、文脈を理解するだけでも大変で、とにかく予習に追われる毎日でした。

シェフィールド大学の図書館は分野ごとにあるだけでなく、24時間開館している図書館(蔵書数130万冊以上)もあったのでたいへん助かりました。図書館にはカフェやシャワールームもあり、いつでも勉強ができる環境が整っていました。

そのため徹夜で勉強する人もめずらしくありませんでした。館内に食べ物を持ち込むこともできたので、私はよくクッキーを食べながら勉強しました。
市内には小さな劇場があり、比較的安い価格で気軽に演劇やバレエなどを観ることができます。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの『テンペスト』がシェフィールドで上演されたときは、ちょうど授業をやる前だったので作品の解釈に役立ちました。シェフィールドからロンドンまでは電車で3時間たらずです。留学生活に慣れた頃、ロンドンに行きグローブ座の『お気に召すまま』、ロイヤルバレエの『白鳥の湖』、リージェントパーク野外劇場の『から騒ぎ』など、以前から観たいと思っていいた作品を観ることができました。特にシェイクスピアの劇は日本語では味わえない英語の間合いを感じることができ新鮮でした。
成城大学のレストロ・アルモニコ管弦楽団で活動していたので、イギリスでも音楽活動を続けたいと思い、日本からヴィオラを持って渡英しました。シェフィールド大学の教授(数学専攻)に誘っていただき、市民オーケストラに入団しました。オケのメンバーは近隣の方々をはじめシェフィールド大学の元教授や現役教授、大学の職員の方など年配の方が多く、学生も数人いましたがたぶん私が最年少でした。週に一度大学から車で10分くらいの小さな教会に集まって練習をしました。ときには団員の自宅でチェロとヴィオラだけの練習などもしました。練習の合間にイギリス特有のティータイムがあります。クッキー片手に紅茶を飲みながらするおしゃべりは楽しいものでした。私はこの休憩時間になるべく毎回違う人と話すように努力しました。大学では絶対に知り合えないような方々と音楽を通じて親しくなることができました。大学の勉強に行き詰って落ち込んだりしたときも、このオケに来ると不思議と落ち着き明るい気持ちになれました。いつしか私にとってこのオーケストラは心休まるかけがえのない場所になりました。まさに「音楽は世界共通の言葉」でした。成城大学を卒業してもここで出会った方々のように音楽のある生活を送りたいと思います。
シェフィールド大学で言葉では言い尽くせないくらいたくさんのことを学ぶことができ、この留学は私にとって生涯でかけがえのない経験となりました。

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