成城大学

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グローカル研究センター

センター長挨拶

私ども成城大学研究機構グローカル研究センター (CGS:Center for Glocal Studies) は、 本学の民俗学研究所を母体として、2011年4月に設立されました。急速にグローバリゼーションが進む現代において、グローバルな力と、ローカルな場のせめぎあいを意味する グローカリゼーションという言葉(概念)をキーワードに、 ローカルな場における諸問題を明確に対象化する(objectify)とともに、そうした場で自明視されている「力」の不均衡を対称化する(symmetrize)ことを目的とする「グローカル研究」(glocal studies)を構想して、グローカル研究を理論的かつ実証的に推進するセンターとして、その歩みを進めてまいりました。

当時、グローカリゼーションという言葉は、ローカルな状況に対応できるように 、グローバルな力が カスタマイズされるといった意味あいで用いられることが多かったように思います。例えば、世界的なハンバーガーチェーンが、進出した土地に合わせた商品を展開するといった事例がその典型です。しかし、今日の状況は、より複雑になっているように思われます。例えば、私達が日常生活を送る上で必要な食料や衣料、エネルギーは、いずれも海外に多くを依存しています。そのため、世界の各地で紛争が起こると、私たちの生活を直撃するようになっています。私たちの手の上にあるスマートフォンは、アメリカに本拠を持つ多国籍企業のサービスを利用していますし、日本を含む世界中で作られた部品が、海外で組み立てられて作られたものです。このように、もはやグローバルな力は、ローカルな場のすみずみにまで入り込んでいて、それぞれを見分けるのは困難になりつつあります。さらに、インターネットは、地理的に離れた人々を結びつけることを可能にしました。グローバルな関係が、あたかも手の上のスマートフォンというローカルな場で達成されているような気持ちにすらなります。ここでも、グローバルなものとローカルなものとが、複雑な形で結びつき始めています。

私たち成城大学グローカル研究センターは、こうした私たちが生きていく上でのリアリティの変化に向き合いつつ、世界をグローカリゼーションという視点から見つめ直していく研究を支援するとともに、志を共有する研究者が豊かに交流しあえる場を提供していきたいと考えています。 今後とも、本センターの活動に、ご指導・ご鞭撻ならびにご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2023年4月1日
研究機構グローカル研究センター長 青山征彦