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身につけてほしいのは、
「言葉で人の心を動かす力」

公共政策論ゼミナール
法学部 法律学科 打越 綾子 教授

さまざまなトピックから
「地方行政」の現状を学ぶ

ゼミナールの研究テーマは、日本の地方の公共政策。地方政治行政や地域社会の活性化、企業・NPO法人・行政の連携など公共政策に関わるトピックを幅広く扱っています。例えば、自転車を用いたまちづくりや酒造業を活かしたまちづくり、お祭り、防災、家畜伝染病対策など……。
ひとくちに地方行政と言っても、こんなにたくさんの切り口があるのです。「学校給食」というテーマを取り上げて、給食費の未納問題や子どもの貧困問題を議論したこともあります。学びのネタには事欠かないゼミですね。

動物政策をめぐる問題を議論し、
解決策を模索する

こうした地方行政に関わるテーマのほかに、2年生向けの基礎ゼミでは「日本の動物政策」を取り上げることも。犬や猫などのペットを取り巻く問題や、クマや猿などの野生動物、医薬品の開発に関わる動物実験の問題など、近年社会的関心が高まっている動物政策について専門的に学びます。
動物愛護の観点はもちろん必要ですが、一方で私たちは食糧として、あるいは医療の進歩のために動物を利用することもある。そうした現実を理解したうえで学生同士が議論することで、より発展的な解決策を模索します。現在は「地方政治行政」と「動物政策」の二足のわらじを履いているゼミだと言えるかもしれません。

森林整備のボランティアが評価され、
表彰を受けたことも

また、活動内容は毎年少しずつ変わりますが、ゼミ合宿で地方行政の現場を見学することもあります。過去には野生動物の被害対策のため、長野県の軽井沢町で森林整備のボランティアを12年間にわたって続けていました。
こちらは長年の活動が評価され、林野庁長官賞、長野県ふるさとの森林づくり賞などを受けました。

レジュメ作成を徹底的に指導。
社会で役立つスキルを養う

私が特に重視しているのが、レジュメ作成とプレゼンテーション。これは多くの学生がゼミナールに入って驚くほど、細かく指導しているポイントでもあります。大見出しのつけ方やカッコの使い方、論点がきれいに整っているか、論旨はきちんと伝わっているかなど……。
私はゼミナールの時間のほかに、平均すると学生一人につき1時間の個人指導を年間100回くらい行っています。もちろん、レジュメや論文の指導だけではなく進路相談や人生相談に乗ったりすることも。
ゼミナールでのトレーニングを通じて鍛えられた学生は、社会に出てからも会議やプレゼンテーションなどさまざまな場面で重宝されるようになります。身につけてほしいのは、「言葉で人の心を動かす力」。これほど強いスキルはないよ、と学生たちには日頃から伝えています。