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国際法を学び、幅広い視点から
「戦争と平和」を理解する

国際法ゼミナール
法学部 法律学科 佐藤 量介 准教授

国際法の蓄積を学ぶことで、
平和への道筋が見えてくる

このゼミナールのテーマは、国際法の枠組みを通じて「戦争と平和」の問題を考えること。国内社会とは異なる国際社会の法を学ぶことで、「平和はいかに可能か」という人類史の命題にも取り組むことができると思います。昔は伝統的な国家間の戦争が国際社会の大きな問題でしたが、現在は戦争の問題も複雑化しています。
内戦やテロリズム、民族紛争、サイバー攻撃など……。国際法は、国際社会の構造がもたらす暴力に対して常に格闘し続けてきました。戦争の法規制に関する国際法学の蓄積を学ぶことで、こうした複雑かつ多層的な「戦争と平和」の問題を考える基礎力が養われるはずです。

国際社会のトピックスを取り上げ、
自分なりの考察を深めていく

国際法を理解することはすなわち、国際社会の構造を理解することにつながります。ゼミナールでは前期に国際法と戦争に関する文献を輪読し、発表やディスカッションを行っています。後期からは、「戦争と平和」というテーマで学生それぞれが自由にテーマを設定。
「平和」には、戦争だけではなく貧困や差別といった「構造的暴力の解消」も含まれます。自身が気になっている国際社会のニュースやトピックについて、国際法の蓄積を学んだうえで自分なりの考えを深めてもらうことがねらいです。

身につけてほしいのは
論旨を正確に理解する力

学生たちにはまず、テキストを正確に読み、論旨をつかむ力を身につけてほしいと考えています。これは、「安易な読解を防ぐ」という意味もあります。そうした能力があって初めて他者と同じ土俵で議論することができるのです。
また文献の筆者の論理をきちんと理解することで、事実に対する評価の方法や論理の組み立て方を学ぶこともできます。これは、論理的思考を身につけるためには欠かせません。

国家、民族、宗教によって異なる
さまざまな価値観を知る

国際社会で起きる問題は、ひとつの見方で理解することはできません。さまざまな国家や民族、宗教、価値観を知ることで、常に自分の考え方を見つめ直す必要があるのです。国際法の学びには、そうした機会が豊富にあります。「平和」に対する考え方もひとつではありません。
ゼミナールではそれぞれの考え方や価値基準、立ち位置を相対化できるような問いかけができればと思っています。