文芸学部|学生インタビュー

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思い入れある1冊から広がる、
新たな文学の読み方を学ぶ

文芸学部 ヨーロッパ文化学科 3年

文学の道に進んだのは、
大好きな作品との出会いがきっかけ

もともと読書が大好きで、中学生の頃から本に親しんでいました。文芸学部の学びに興味を持ったのは、高校生の頃にゲーテの『若きウェルテルの悩み』という小説に出会い、その切実で美しいストーリーに惹かれたことがきっかけです。
当時から日本文学よりも海外の文学が好きだったのですが、大学では今まであまり触れてこなかったドイツ文学を学んでみたいと思い、ヨーロッパ文化学科を選びました。

ゼミを通して初めて気づいた
文学を読む視点や解釈の幅広さ

1、2年次にはドイツ語の基礎と、ドイツ語を使った歴史や文学、文化を読み解く授業を受けました。3年次からは、時田郁子先生のゼミナールに所属。
現在はドイツ語辞書を片手に、『若きウェルテルの悩み』などのドイツ文学や、ドイツの歴史について書かれた書物を原著で読んでいます。最初は1行読み進めるのにも苦労しましたが、指定された箇所を予習し、授業中にみんなで訳していくことでだんだん理解が深まっていきました。
一人で読むと自分だけの視点で読むことになりますが、先生や他の学生の意見を聞くと、さまざまな観点が見えてきて、作品の解釈は決してひとつではないことに気づかされます。自分が注目していなかった点を指摘されたり、受け取り方の違いを感じたりするのはとてもおもしろい経験です。

他言語との比較で
新しい発見も

また、ひとつの作品に対しても、その時代背景やつながりなどを踏まえ、より大きな枠で読み解くことの楽しさを感じています。他言語・文化とふれあう機会があることもこの学部の魅力。
富山典彦先生の「比較文化」の授業では、ドイツ語専攻とフランス語専攻の学生が日本の憲法をそれぞれの言語で訳して比較したのですが、単語の捉え方ひとつにしても大きな違いがあり、新たな視点を得る体験となりました。

ゲーテを軸に、ドイツ文学史の
文脈を掘り下げていきたい

ドイツ語に関しては大学入学後にゼロから学びましたが、この2年間の学びで、辞書を引きながらであれば小説や歴史書の原著も読めるようになりました。今後はドイツ文学の全般的な知識を深めていきたいと思っています。
特にゲーテは、ドイツを超えて影響力を持つ人物。彼が同時代や過去の作家に受けた影響や、同時にゲーテが書いたものが与えた影響を俯瞰的に調べていくことで、その文脈を掘り下げていきたいと思います。文学をひとつの作品として捉えるのではなく、ゲーテを中心とした周辺情報を深く探っていきたい。文章を読むことはもちろん、書くことも好きなので、この経験を活かして将来は文章に関わる仕事がしたいです。