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歴史と現在の比較から考える、
私たちの生きる「大衆社会」

マスコミ史ゼミナール
文芸学部 マスコミュニケーション学科 新倉 貴仁 准教授

日常生活の「当たり前」も
掘り下げて考察すれば学問に

例えば、私たちの生活にスマートフォンが普及したのはここ10年くらいのこと。それまでは、友達とのコミュニケーションや待ち合わせ、お店の予約なども、今とはまったく違う形で行っていました。そこには、どんな意味があると思いますか? 
日常生活の中で当たり前のように思えていることも、大衆社会の歴史の文脈に置いてみると「社会学」という学問になり得るチャンスがあります。私たちの身近な生活におけるさまざまな事象を歴史的な視点から考察していくのが、このゼミナールのテーマです。

フィールドワークを通じて
都市に内在する問題を考える

2年次のゼミでは、学生それぞれが街に出掛けてフィールドワークを行います。都市の歴史を調べ、現在の姿と比較することで、社会学的な見地から問題点を把握することが目的です。
地元の百貨店がショッピングモールに姿を変えていたり、高度成長期に建てられたニュータウンが衰退して現在はタワーマンションがブームになっていたりと、都市は大衆社会の歴史と密接に関わっているのです。一人ひとりが違う場所で調査を行うので、それぞれの気づきをゼミに持ち寄り比較しながら、都市への考察を深めています。

さまざまなアプローチで
「大衆社会」を研究

喫茶店、オカルトブーム、化粧、ロケ地めぐり、音楽流通、まちづくり……。学生たちが卒業論文で取り上げるテーマは多岐にわたっています。過去と現在を比較しながら、文献調査やアンケート調査、インタビューなどさまざまな手法で「大衆社会」を分析します。
私自身も、専門分野である社会学を軸に幅広く研究しており、どんなテーマでも興味深く感じてしまいます。

大切にしてほしいのは
「好奇心・向上心・サービス精神」

この分野を目指す高校生のみなさんに大切にしてほしいのは、「好奇心、向上心、サービス精神」です。自分の研究テーマはもちろんですが、他の人の研究テーマにも目を向けて、好奇心と向上心を持ってほしい。そして、学んだ知識や自分のリソースを他の人に惜しみなく提供するサービス精神も忘れないでほしい。
歴史と現在の比較から自分が気になっている現象をとことん掘り下げていけば、きっと驚くような研究テーマに出会えるはずです。