文芸学部|学生インタビュー

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当時の歴史や社会背景に着目し、
古典文学の魅力をひもとく

文芸学部 国文学科 3年

なぜ、はるか昔の文学作品が
今の時代でも愛されるのか?

もともと小説が好きで、古典文学と出会ったのは中学生の頃。なぜはるか昔に書かれた作品が現代でも映画化されたり、アニメ化されたりするのか? その答えを知りたいと思い、国文学科への進学を決めました。
入学後は、1年次の「国文学史総合講座」で古代から近代までの代表的な文学作品をひととおり学びます。文学史の概要を幅広く網羅してくれるので、その中から自分の好きな時代や作家、文学作品を見つけることができました。

自分の手で製本し、
当時の書物を再現

古典文学の作品を深く理解するためには、当時の歴史や文化的背景を知ることが欠かせません。「国語国文学実習」の授業では、“和とじの本を再現する”というユニークな実習に取り組みました。
自分の手を動かして紙を束ね、糸や針やのりを使って実際に製本に挑戦。実習を通じて、当時の人々がどのように文学を生み出していたのか、その過程に少しだけ近づけたように感じました。

江戸時代の作家・上田秋成を
ゼミ生と議論しながら読み解く

現在、私は宮﨑修多先生のゼミナールで、江戸時代の作家・国学者である上田秋成の『雨月物語』という作品について研究しています。この作品は、古典文学でありながらSFの要素も持っている不思議な作品。大衆向けの文学作品なので、江戸時代の町人などの間でも親しまれていたそうです。
ゼミ生の間で担当箇所を区切って輪読し、解釈などをみんなで議論しています。当時の人がどのようにこの作品を解釈していたのか、江戸時代の歴史的な背景と重ね合わせながら読み解いていきたいです。

ひとつの作品を丁寧に掘り下げる
好奇心と根気強さが大切

文学の研究には終わりがありません。興味の向くままに作品を深く掘り下げていく好奇心と根気強さが重要です。作品の一つひとつに当時のさまざまな文化や価値観が反映されているので求められる知識の量も多いですが、そのぶん作品の本質に近づけたときの喜びは大きいですね。
今後は日本の文献だけにとどまらず、当時の中国や西洋の書物にも目を向けながら、文学を多面的に分析する力を身につけたいです。