文芸学部|学生インタビュー
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「仏像の姿の変化」から
歴史と文化の変遷を探る
文芸学部 文化史学科 4年
身近な環境から生まれた好奇心。
授業でさらなる興味が芽生えた
私は福井県出身で、永平寺が実家の近くにありました。また、母親の実家もお遍路さんで有名な香川県。子どもの頃から御朱印帳を持って歩くような環境で、神社やお寺はとても身近なものでした。
2年次の小澤正人先生の授業をきっかけに仏像の歴史や文化に興味を持ち、現在は小澤先生のゼミナールで「中国社会文化論」を学んでいます。ゼミ全体のテーマは中国に関わることですが、その中でも私は「中国の仏像」について研究を進めています。
インドと中国の仏像は
着ている衣装が違う!
私は仏像の研究の中でも、その表情や服装の変遷に着目しています。中国の仏像はもともとインドから渡ってきたものですが、その間にさまざまな変化がありました。
例えばインドの仏像はほとんどが裸もしくは衣1枚ですが、中国に渡ると上着を着るようになりました。その理由や時期、起源などを掘り下げていくのはとても興味深いです。今は文献を調べながら写真を見比べ、時代ごとの変化を把握している段階です。最終的にはさまざまな意見や議論を調べ上げ、自分なりの結論に落とし込みたいと思います。
仏像が姿を変える背景には、
宗教や政治的な意図がある
最初に興味を持ったのは日本の仏像でしたが、日本、中国、インドでそれぞれ違う表情の変化があることを知り、比較・分析することの楽しさを知りました。
国や時代によって異なるのはもちろんのこと、仏像が徐々に姿を変えていく背景には、必ず政治的な意図や宗教の思想があります。変化を注意深く観察することで、国の歴史が見えてくる。卒業論文では「中国における仏像の服制(着衣形式)の変化について」をテーマに研究を進めています。
漠然としたところからのスタートでも
「好き」が見つかる環境
高校時代はおおまかな「歴史」しか知りませんでしたが、大学に入ってさまざまな観点から知識を身につけたことで、歴史の中でも特に好きな分野が見つかりました。最初は学びたいことが漠然としていても、文化史学科には多種多様な専門があり、自分の興味に合った分野をとことん学べる環境です。
興味の対象は授業を受けるうちにどんどん広がり、変わっていくもの。文化史を学ぶとプライベートで美術館を訪れたときに楽しさも増しますし、何よりも知識が共有できる仲間がいることが楽しいです。