第6回コミュニティー・カレッジ・デー

【特別企画】ドキュメンタリー映画「槌音」上映

大槌町出身で、成城大学を卒業して4年目の大久保監督の『槌音』を見て — 聴こえてきた、観えてきた。
明治、大正と2度の大津波によって大槌の町は飲み込まれた。しかし、それでも、大槌の人々は大槌に生き続けた。
3月11日の震災で3度、大槌は海に飲み込まれた。
ドキュメンタリーは大槌の海の音から始まる。
そして、大久保監督が小さい頃から撮り続けてきたかつての町並み、祭りの様子、楽しげな会話と続く。
駅のプラットフォームにたくさんの人が、誰かがこの町を去るのだろう、見送る名残の顔、かお。
プラットフォームの先には真っ直ぐにのびたレール。
一転、同じプラットフォームが無残にも破壊され、引き千切られたレールが目に飛び込んできた。
ただ、轟々と吹く風の音。
大久保監督は、小さい頃から慣れ親しんできた大槌の町並みが、頭の中の記憶から飛んでしまったと話した。
おじいちゃんの家の形さえもが記憶からなくなっていた。
『槌音』は現実を受け入れることのできなかった監督が帰京後この現実をなんとかして受け入れるための行為として本作を作ったという。
単なる復興への音ではなく、震災直後鴎の声、海風の音、重機の音だけが響く町を目の当たりにした監督が、かつて「大槌」に響いていた音を再び映画の中で響かせたい、そのような願いも込められていると語った。


大久保 愉伊 監督

page top