2024年度

研修事業

ASEAN各国における政策立案者向けワークショップ

2026年1月13日から15日の3日間、カンボジア・シェムリアップにて「ジェンダーに配慮した中長期のスポーツ政策の検討と立案」をテーマにワークショップが開催されました。

本年のワークショップでは、各国が自国のスポーツ政策にジェンダー配慮の視点を具体的に組み込むための要素を検討・整理することを目的としました。参加者は予算計画や制度設計に必要となる能力強化を行う共に、域内共通のジェンダー指標作成の為の議論を深めました。

ASEAN11カ国の政府・NOC関係者に加えてGlobal Observatory for Gender Equality & Sport(GO) Chief Executive OfficerのDr. Lombe Mwambwa氏、TAFISA Senior ManagerのGame Mothibi氏が講師として参加し、計37名での開催となりました。

ワークショップ開会に際しての集合写真

情報提供のセッションではLombe氏より、ジェンダー平等の進捗の測定、政策・法制度追跡・マッピングについてGOの戦略や知見が共有されました。Game氏からは草の根レベルでの女性のスポーツ参加拡大の為の実践や施策の設計について情報提供が行われました。また参加国によるプレゼンテーションが行われ、自国の過去2年間のジェンダー平等推進の進捗(改善点・継続課題・新たな課題)が共有されました。併せて政策の根拠となる関連文書、モニタリング評価、予算に関する報告と共に、今後のアウトカム案が提示されました。
併せてプロジェクトリーダーの野口と2名の講師によるパネルディスカッションが行われ、効果的なステークホルダー連携をテーマに、仕組みづくりや協働手法に関する情報提供が行われました。

講師(野口氏、Lombe氏、Game氏)によるパネルディスカッション

ASEAN域内の好事例としては、マレーシアのDr. Nazira Binti Abdul Rahman氏より、同国の女性スポーツ政策「Women in Sports Action Plan 2021–2025」が紹介されました。政策立案からモニタリング評価まで体系立てられた実践として高い関心を集めました。

Dr. Nazira氏によるマレーシアの女性スポーツ政策の情報提供

グループワーク各国でのジェンダーに配慮した中長期のスポーツ政策の策定に向けて現実的かつ実行可能な政策提案の検討が行われました。

グループワークで積極的に議論をかわす参加者

更に本ワークショプでは、ASEANにおけるジェンダー平等推進の共通指標に向けた議論が行われました。国混合でのグループディスカッションによる多様な視点や現状を踏まえた意見交換が行われ、ASEAN全体で共有可能な共通指標の在り方が議論されました。




開催国: カンボジア・シェムリアップ
(共催:Ministry of Education, Youth and Sport of Cambodia)
日 程: 2026年1月13日(火)〜15日(木)
テーマ: ジェンダーに配慮した中長期のスポーツ政策の検討と立案
参加者: ASEAN加盟11か国の政府関係者、NOC関係者
ASEAN事務局担当官 計37名
(ハイブリッド開催により一部オンライン参加)

プログラム:
1日目(1月13日)

■  オープニングセレモニー(Opening Remarks)
・  カンボジア教育・青年・スポーツ省 スポーツ総局
事務局長 Phon Bophateavy氏
・  成城大学 スポーツとジェンダー平等国際研究センター (SGE)
副センター長 野口亜弥氏
・  カンボジア教育・青年・スポーツ省
国務長官 Vath Chamroeun氏
■  ジェンダー平等に関するグローバル・スポーツ政策の動向
・  SGE 副センター長 野口亜弥
■  情報提供「GOの活動及び政策マッピング」
・  Dr. Lombe Mwambwa氏
■  各国からのプレゼンテーション
・  各参加者
■  パネルディスカッション(ステークホルダー連携)
・  Dr. Lombe Mwambwa氏、Game Mothibi氏、野口亜弥氏


2日目(1月14日)

■  女性スポーツ振興計画に関するグッドプラクティスの共有(マレーシア)
・  Dr. Nazira Binti Abdul Rahman氏
■  草の根レベルにおける女の子および女性のスポーツ参加の促進
・  Game Mothibi氏
■  グループワーク:中長期的なジェンダー応答型スポーツ政策の策定
・  各参加者


3日目(1月15日)

■  スポーツ政策のドラフト提案の発表
・  各参加者
■  ASEAN加盟国としてジェンダー平等の推進を測定するための共通指標の設計
・  各参加者
■  クロージングセレモニー(Closing Remarks)
・  ASEAN事務局教育・青少年・スポーツ部門
Nasya Nabila Nursabrina氏
・  Singapore National Olympic Council
女性スポーツ委員会委員 Christina Yoke Yee Tham氏
・  成城大学 スポーツとジェンダー平等国際研究センター (SGE)
副センター長 野口亜弥氏
・  カンボジア教育・青年・スポーツ省
国務長官 Vath Chamroeun氏

各国の進捗フォローアップ

前年度のワークショップ後に提出されたポストワークショップシートに基づき、各国の進捗や課題をヒアリングするオンラインでの定期ミーティングを実施しました。国毎に2回と合同で2回を実施し、各国関係者との信頼醸成に努めました。

第1回個別ミーティング(2025年5月下旬~6月上旬)
各国政府より、優先領域に関する取組みの情報共有を行いました。

第1回合同ミーティング(オンラインギャザリング)(2025年8月7日)
全カ国合同でのオンラインミーティングを実施し、各国政府から優先領域の進捗に関する発表を行い、多国間での情報共有が行いました。ブルネイからは4月に開催された第2回OCA Gender Equality Seminarに関する報告と同会合で公表されたWomen in Sport Strategic Plan に関する共有がありました。

第2回個別ミーティング(2025年11月6日~11月21日)
各国政府の取組みに関する進捗のヒアリングを行うとともに、今後の中長期的な計画策定に向けた課題やニーズ、連携に関するヒアリングを実施しました。

第2回合同ミーティング(オンラインギャザリング)(2025年12月4日)
2026年1月に実施予定のワークショップに関する情報共有、プレワークについて説明を実施しました。

調査事業

女性および女児のスポーツ参画における課題とニーズ

本事業の調査事業では、ASEAN Work Plan on Sports 2021-2025を参照し、女性のスポーツ参加促進における①文化社会的、②組織的、③関係的、④個人的な課題分析を実施しています。各国における女性のスポーツ参加の意義やスポーツ参加の阻害要因を明らかにすることが目的としており、今年度はタイ、ラオス、シンガポールの3カ国で調査を実施しました。



調査対象国:タイ、ラオス、シンガポール
調査期間: 約3日間
調査対象者:政府関係者、NOC、競技団体、大学生、NGO等



◎タイ
調査日程: 2025年7月1日(火)~ 3日(木)

調査協力をして下さったタイ政府関係者と

◎ラオス
調査日程: 2025年9月2日(火)~4日(木)

調査協力をして下さったラオス政府関係者と

◎シンガポール
調査日程: 2026年2月24日(火)~26日(木)

調査協力をして下さったシンガポール政府関係者と

情報発信事業

国際スポーツ社会学会(2025年7月8日~ 7月11日)

ソウル国立大学(大韓民国)で開催された国際スポーツ社会学会(2025 World Congress of Sociology of Sport “60 Years of the Sociology of Sport: Past, Present, and Future Trajectories”)に参加し、昨年度に調査を実施した3カ国(インドネシア、フィリピン、ベトナム)の分析結果を発表しました。本学会には、東アジア各国に加えて、インド、オーストラリア、ニュージーランドなどから150名以上の参加がありました。

国際スポーツ社会学会にてSGEの調査報告を行う古田PD

Global Observatory for Gender Equality & Sport(GO)Advisory Council Meeting(2025年9月29日)

スイス・ローザンヌ市庁舎(Hôtel de Ville)にて、スポーツにおけるジェンダー平等を推進する国際組織であるGOのアドバイザーカウンシル会議が開催され、SGEからは野口副センター長が出席しました。本会合には世界各地から国際機関・研究者・スポーツ団体代表らが参集し、国際的な政策動向と今後の戦略的な方向性について議論を行いました。

世界各地から参集したスポーツとジェンダー平等に関する専門家らと

日ASEANスポーツ高級実務者会合 (SOMS+Japan)(2025年10月14日)

ベトナム・ハノイで行われた日ASEANスポーツ高級実務者会合にて、2023年度からの本事業の成果と各国における進捗について共有を行いました。併せて、今年度の事業計画と今後のASEANにおけるスポーツとジェンダー分野に関する共通の指標策定の計画について情報提供を行いました。

SOMS+Japanにて事業報告・計画を共有する野口副センター長

スポーツ×ジェンダー×国際協力 勉強会(2026年1月22日)

成城大学にて「第2回 スポーツ×ジェンダー×国際協力 勉強会」を開催しました。日本国内のスポーツ国際協力の関連団体を主な対象として、SGEが実施する日ASEAN事業全体としての進捗や、各国に実施している調査報告、加えてASEANのスポーツ国際協力の動向に関する情報提供を行いました。後半には参加団体の取組みを紹介頂き、また意見交換の時間を設け、関係者間のネットワーク強化を図りました。

勉強会を終え、参加された関係者の皆様と