今年度、文学研究科が客員教授にお迎えしましたカレン・シマカワ（Karen Shimakawa）先生は、ワシントン大学（University of Washington）で博士号を取得し、現在はニューヨーク大学のパフォーマンス研究学科（Department of Performance Studies、New York University）の准教授で、学科主任も務めておられます。今学期は文学研究科の英文学専攻でアメリカ演劇の授業を担当されています。
　日系三世であるシマカワ先生のご専門はアメリカ演劇、特にアジア系アメリカ演劇、および演劇・パフォーマンス理論です。専門領域はさらに法学研究や人種理論にも亘る学際的な教養人でいらっしゃいます。シマカワ先生は弁護士の資格もお持ちであり、大学の法科大学院でも「アジア系アメリカの法制」という科目を担当しています。日本滞在中に日本の裁判員制度とパフォーマンスの関係についても調査をする予定です。
　ご著書 “made, not born”: National Abjection and the Asian American Body on Stage (Duke University Press, 2002)は特に高く評価され、この分野の必読書とされます。現在は、アジアと欧米を行き来し越境するパフォーマンス・アーティストの研究を進行中であり、11月19日に本学で開催する客員教授学術講演会でのご講演はその一端について触れるまたとない貴重な機会ですので、万障お繰り合わせのうえ、ぜひご出席くださいますようお願い申し上げます。