第12回コミュニティー・カレッジ・デー

特別講演

第12回目を迎える今回は、新たな企画として世田谷美術館で4月1日(日)まで開催されている『ボストン美術館 パリジェンヌ展』とコラボレーションした特別講演を行いました。 下記は、当日の講義風景、講義内容となります。

娘がパリジェンヌになったらどうしよう — 『パリジェンヌ展』を文学から見直す —
有田 英也 講師(文芸学部教授)

「現在開催中の『パリジェンヌ展』は、おそらく近現代でもっとも語られることが多かった女性像=パリジェンヌを、ボストン美術館所蔵の絵画、衣装、ポスター、カリカチュアから再現しています。それは見てのお楽しみということで、ここでは言葉だけで出品作を紹介していきましょう」と、柔らかい語り口で有田講師の講演は始まった。
修復後初公開のマネの大作《街の歌い手》に描かれた楽器を抱えて酒場を歌い歩く女性、高価なドレスを身にまとったブルジョワ女性、流行に合わせて仮装した娘、男性に頼らずにパリを闊歩する強く美しい女性、女性だけで外出し、スポーツを楽しむ女性など、特定の社会階層や、年齢・既婚か未婚かの区別にとらわれないパリジェンヌ像が示された。女性にとって厳しい時代の中で、あえて注目を浴びる生き方を選んだ彼女たちそれぞれの物語が見えてきた。
後半は、コレットの小説『青い麦』。少年と妙齢の婦人が避暑地の恋に溺れる。だが、少年と幼馴染の少女ヴァンカも、「愛の深さゆえに譲歩し計算する成熟した女性の聡明」さでもって、少年を翻弄する。「さて皆さん、お嬢さんがそんなパリジェンヌになってしまったら、さあどうしましょう?」と結ばれた。
有田講師は、次年度春夏講座では、「フランスとイスラム—これからの移民社会—」を担当されます。

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