第11回コミュニティー・カレッジ・デー

ミニ講義

今回、ミニ講義をご担当いただきました下記3名の先生方は、2017年5月から始まります
「成城 学びの森」コミュニティー・カレッジ春夏講座の講師もご担当いただきます。
下記は、当日の講義風景、講義内容となります。

A シェイクスピアとルネサンス視覚文化の世界

シェイクスピアは、舞台にあって初めて活きてくる。
ルネサンス文化が英国で華やかな頃、忽然と登場した彼は、ソネット(十四行詩)の使い手として、三つの四行連と一つの二行連の韻の打ち方や、一行の中で弱強を繰り返す、「弱強調五歩格」と謂われる手法で、舞台のセリフにリズムと勢いを与えた。
講師は、当時の絵画やエンブレムを援用し、彼の作品が持つ絵画的なイメージの特質として、新プラトン主義的な愛を描いたティティアーノの『聖愛と俗愛』を取り上げ、聖なるものと俗なるものを一つの画として、堕落する前の魂が覚えている美の理想へと昇華するイメージを喚起することをルネサンス視覚文化の特徴としてロミオとジュリエットの世界との関係性を述べていた。本日の講義を聴いて、ますます、春夏講座での「『ロミオとジュリエット』—イメージが語りだす世界—」が楽しみである。


ミニ講義A 松田 美作子 講師

B 大衆消費社会の夜明け:大正期の企業家

第一次世界大戦後の日本において、大衆消費社会と都市型産業が根付いたと謂われるが、これらの先駆となった起業家三人が追い求めたものを簡潔に提示した講義であった。
阪急電鉄の小林一三、ブリヂストンの石橋正二郎、サントリーの鳥井信治郎。
この三人の興した企業は、どなたも知っているであろう。しかし、現在では当たり前であるマーケティングを既にこの大正期の三人が駆使していたことには驚かされた。
この講座を通して、三人の共通する考え方として、お客様への価値の提供を第一と考えたことは勿論のこと、輸入品を売るだけでは国費が常に外国に流れてしまうので、我々日本人が物を作り輸出する。国を富ますためにはまず、日本人が作った物を外国に売ることが重要だと考えた行動にあるのではないかと感じた。
このような視点をこの短時間で端的に示した平野講師の春夏講座、「日本の経営の歴史:江戸の商家から現代まで」が興味深く思える。


ミニ講義B 平野 創 講師

C 「詩」とは何か - フランス近代詩のケース

ミラボー橋。パリの中心からおよそ離れたところにある何ら変哲もない単なる橋が、何故こうも我々の感情を高まらせるのだろうか?
この『ミラボー橋』と言う詩ほど、我々日本人の人口に膾炙した詩はないであろう。
アポリネールが三十二歳。画家のマリー・ローランサンとの恋が破局に終わったときに作られた詩である。講師の三枝先生の物静かな語り口から出るフランス語はこれまで私が読んだ堀口大学、飯島耕一、安藤元雄らの訳詩とは大きく異なる情感を与えてくれた。
先生が読み進める先に、リズムが生まれ、繰り返しのフレーズが耳に心地よく残ってくる。全く違う言葉なのに同じ韻を踏んでいるかのようなマジック。
これらがこの詩の持つ力なのだろう。声に出してみて初めて伝わってくる情感、これが詩の本質なのだと三枝講師から教わったような気がした。
春夏講座の「驚異のフランス近代詩」で先生が語る物語はどのようなものなのだろう?


ミニ講義C 三枝 大修 講師

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