イベントの記録

  • 2017.12.21

    【開催報告】公開国際ミニ・シンポジウム “Theories and Practices of Glocalization Studies in Europe and East Asia” (「ヨーロッパと東アジアにおけるグローカル研究のいま—理論と実践—」)

 本学の文部科学省・私立大学研究ブランディング事業、「持続可能な相互包摂型社会の実現に向けた世界的グローカル研究拠点の確立と推進」の一環として、2017年12月09日(土)の午後1時から午後5時過ぎまで、成城大学7号館7号館723教室において、グローカル研究センター主催による公開国際ミニ・シンポジウム、“Theories and Practices of Glocalization Studies in Europe and East Asia”(「ヨーロッパと東アジアにおけるグローカル研究のいま—理論と実践—」)が開催された。

 ミニ・シンポジウムでは、キプロス大学のVictor Roudometof教授が、“What is Glocalization? : Six interpretations”(「グローカル化とは何か?—6つの解釈—」)と題して基調報告を行い、グローカル化(glocaliation)という言葉ないし概念が1990年代初頭に人文社会科学に導入されて以来いかに理解されてきたのかという理論的展開を、Roudometof教授自身のグローバル化の「屈折効果」(refraction)に焦点を当てた解釈を含め、6つの解釈に分けて紹介した。
 
 Roudometof教授の基調報告を受け、グローカル化に焦点を当てた2つの研究事例が報告された。韓国における研究事例として、ソウル市立大学「グローカル文化と社会的共感センター」・センター長のJang Wonho教授は、“Glocal Culture and Social Empathy”(「グローカル文化と社会的共感」)と題し、グローバルに展開する(韓国)のポピュラー文化等を通して国の境界を越えた社会的共感が生み出される可能性を論じた。これに対し、日本における研究事例として、成城大学「グローカル研究センター」・センター長の上杉富之教授は、“Glocal Studies: Formulated and Practiced at the Center for Glocal Studies, Seijo University, Japan”(「グローカル研究—成城大学グローカル研究センターにおける理論化と実践—」)と題し、グローカル研究が、グローバル化において無視されがちなローカルな要素や人びとの働きかけ(agency)を「対象化」するとともに、グローバルとローカルの間の力の不均衡を「対称化」(均衡化)する可能性を持つと論じた。
 
 以上の基調講演と2つの報告に対し、福井大学国際地域学部の細谷龍平教授と静岡県立大学「グローバル・スタディーズ研究センター」・センター長の湖中真哉教授、ならびに成城大学社会イノベーション学部の西原和久教授が、それぞれの観点から、理論と実践(実証的研究)の両面についてコメントを行った。
 
 その後の総合討論では、グローバル化がますます進行する今日の社会、文化的状況の中であえてグローカル化という言葉や概念を用いて「グローカル研究」(glocalization studiesないしglocal studies)ないし類似の研究を構想し、推進するのであれば、その意義や意味をより明確にすべきであるなどの根本的な質疑とそれに対する応答等が繰り広げられ、ミニ・シンポジウムは盛況の内に閉会した。
 
 なお、閉会の際、①今回のミニ・シンポジウムの成果を報告書としてグローカル研究センターから刊行することと、②今回のミニ・シンポジウムの成果に基づいて、来年(2018年)の適当な時期に、グローカル研究の理論と実践、特にグローカル研究の意義と意味を多角的・多面的に検討するための国際シンポジウムを開催することが、参加者一同の総意として確認された。

page top