成城大学

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イベントの記録

  • 2017.11.08

    【開催報告】成城大学経済研究所、グアダラハラ大学・日墨研究プログラム 日墨学術国際交流シンポジウム

グアダラハラ大学経済経営学部教授 柿原 智弘

2017年10月25日(水)に、成城大学経済研究所、グアダラハラ大学日墨研究プログラムおよび私立大学研究ブランディング事業の共催の形で、日墨学術国際交流シンポジウム“12th Mexico-Japan Studies Program International Seminar "Mexico-Japan-Vietnam relations in the changing world economy”が開催された。シンポジウムでは、日本-メキシコの視点のみならず、環太平洋地域も視野に入れた形でベトナムに関する報告も含め、以下のテーマについての報告がなされた。

  • Investment and industrial agglomeration Mexico-Japan
  • Japanese migration and its lifestyle in Mexico
  • Industrial property right protection for regional development in Mexico
  • FTA; Conditions for development of small and medium enterprises under globalization - Through the case of field survey in Vietnam –

第1報告では、グアダラハラ大学のレオ・グスマン・アナージャ教授より、現地での日系自動車企業の集積の分析結果および今後の直接投資の見通しについての説明があり、トランプ政権誕生によるNAFTA再交渉の影響は少なからず見られ、今後現地サプライヤーの能力向上の必要性や、投資の対象地がヨーロッパや南米へ多様化する可能性についての指摘がなされた。
第2報告では、グアダラハラ大学のヘスス・アロージョ・アレハンドレ教授、サルバドール・カリージョ・レガラード教授、マルタ・エレーナ・カンポス・ルイス教授より、メキシコ国内の日本人居住者、日系移民に関して、アンケート調査を用いた分析結果について説明があり、対メキシコ日本投資動向を踏まえた企業数や日本人居住者数の推移の特徴や、グアナファト州における日本人の生活の質に関して、アンケート調査の結果を踏まえた説明がなされた。メキシコは治安について懸念を持たれているケースが多いが、今回のアンケートでは86%以上があまり問題はないと回答した点は興味深い結果である。一方、文化的統合および子女の教育環境については、多くの日本人が課題と感じている点が指摘された。
第3報告では、グアダラハラ大学の岡部拓教授より、メキシコにおける工業財産権に関して、アンケート調査を用いた説明がなされた。報告では、メキシコにおける特許申請および認可に関する分析、海賊版購入層の特徴およびその理由等についての説明の後、グローバル化における工業財産権保護政策への対応が必要な旨の指摘がなされた。
第4報告では、経済研究所客員所員の福島章雄氏、および東京富士大学の青山和正教授より、グローバル化におけるベトナム籍企業の活動の変化についての説明があった。ベトナムでは経済が資本主義化していることを受け、数々の現地企業が独立して活動している旨の指摘があった。一方で、企業運営のノウハウの欠如から、企業システムや経営戦略について未整備な点が指摘された。

メキシコおよびベトナムのような中進国、発展途上国では直接投資が技術力および経済力向上の原動力となっている点は否定できず、積極的な外資誘致政策が望まれる一方、外資への市場開放によるグローバル化の促進が競争激化を生み出す状況にあり、これに対応する必要がある。シンポジウムでは各報告を受けて、グローバル化の枠組みの中で各国の課題および見通しについて積極的な議論がなされた。

  • 【開催報告】成城大学経済研究所、グアダラハラ大学・日墨研究プログラム 日墨学術国際交流シンポジウム

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