津上英輔研究室
メッセージ
私の研究室では3つのことをしています。

第1は、個人面談です。修論・博論、あるいは学会発表や投稿論文の指導、進路の相談など、内容はさまざまで、一度の面談が数時間に及ぶことも稀ではありませんが、恋愛相談だけはいまだに受けたことがありません。それもそのはずです。私は個人指導を、クラスでの授業と一体と考えているのですから。

第2は、読書会です。ここのところ、しばらくお休みしていますが、これまで、ボエーティウス『音楽教程』、クローチェ『美学』、ヘーゲル『美学』、デカルト『省察』(ラテン語版)、カント『純粋理性批判』を取り上げました。どれ一つ、最後まではたどり着きませんでしたが、古典的な文章を、みんなで議論しながら丹念に読み進める過程の楽しさを、院生たちと分かち合ってきました。読書会であれ、授業であれ、読解における私の理想は、無色透明さです。つまり、辞書と文法書に忠実に、語法的に最も当たり前の理解に立ちながら、そこに太い論理の筋道を見出すことです。なのに、数年前の授業後、ある院生から「さっきの解釈は、いかにも津上先生らしい読みだなーと思いました」と言われ、がっかりしたことがあります。

第3は、「美学談話会」です。2003年に「総合ゼミ」(美学研究II)の授業を立ち上げるきっかけになった催しです。毎回院生が自分の研究内容について発表し、みんなで時間をかけて議論するという、一種のsymposiumです。2003年以降も、授業の枠に収まらない発表のために、不定期に開いています。ときには語源に忠実に、「ともに飲み」ながら、ただしまじめに議論することもあります。私が院生に特に求めるのは、縦だけでなく、横にも目を向けることです。つまり、自分の主題について研究を深めるのは、院生ならば誰でもすることですが、その主題が隣接領域とどう関係しているのか、さらに言えば、学問世界の中でどのような位置にあるのかについての意識を持ってほしいと思うのです。そうすることで、研究に強さと厚みが出てくると私は考えています。

どうですか。興味を持った人は、どうぞこの部屋の戸を叩いて下さい。



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