小林義武ゼミナール
メッセージ
私の専門領域は、第1にJ. S. バッハで、この西洋音楽史上最大(異論のある人もいるでしょうが、大部分の音楽家や音楽学者による評価であることも確かです)の作曲家についてさまざまな角度から考察することです。中でも自筆資料などを古文書学的に調査することから得られる情報をもとにさまざまな論を立てていくことを主要課題としており、この分野での論文が一番多くあります。例えばバッハの最後の大作が『フーガの技法』ではなく、『ロ短調ミサ曲』のクレド以下の部分であったことを突き止めたり、晩年のバッハが従来想定されていた以上に頻繁に教会カンタータを再演していた事実を明らかにしたりし、そこから晩年のバッハ像を再構築することを試みています。以前の勤務先が『新バッハ全集』を編纂しているバッハ研究所(ドイツ・ゲッティンゲン市)だったため、この全集の最後の巻のひとつとして『バッハのコピストのカタログ』をキルステン・バイスヴェンガーと共著で執筆し、2007年に出版されました。

そのほかバッハに限らず、音楽と言葉の関係(とくにバロックの音楽修辞学)ということにも大きな関心があり、作曲家たちがどのような音楽的手法で歌詞の内容を聴き手に伝達しようとしているのかを作品分析によって解明することを試みます。

そのほか、古楽演奏に関する諸問題も関心事のひとつで、ここでは「干からびた」学問が演奏という実践の場に貢献する可能性をもっており、学問研究が実践に結びつく数少ない分野です。そのため、演奏家のかたがたとディスカッションすることもあります。





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