19世紀イギリス小説
大学院において私が担当する領域は19世紀文学、とりわけヴィクトリア朝の小説です。この時代のイギリス小説は「小説の伝統」と言われるように、作家と作品の数・内容・質のいずれにおいても優れています。イギリス小説の爛熟期といってよいでしょう。ディケンズをはじめサッカレー、ジョージ・エリオット、ブロンテ姉妹、さらにはギャスケル夫人、トマス・ハーディ、下ってヘンリー・ジェイムズ等多士済々です。中でもチャールズ・ディケンズはその作品の量・テーマの複雑さ・社会改良家としての時代とのかかわりと影響力等どれをとっても抜群です。私がディケンズにおいて興味を抱いているのは、彼の作品と時代とのかかわりです。教育・公衆衛生・さまざまな制度への彼の取り組みは、作品の中で明らかにできる範囲をしばしば超えることがあり、かれの書簡や当時の出版物といった第一次資料・第二次資料を駆使して初めて整合性を持つようです。そのような総合的研究が必要な作家としてディケンズ研究を進めています。 |
|