本専攻の学びの眼目は、「言葉・書物・人」である。文学という語をわれわれは狭くとらえない。かつてわが国では、政治・思想・教育・歴史も含めてその文事にかかわるすべてのいとなみを「文学」と呼んだ。江戸時代において、各藩に抱えられた儒者のことを、「何々藩の文学」と称したごときが、その一例である。そうした広々とした「文学」の意識をもって古典に接すること。その際に、言葉はもとより、テクストが盛られる器であるところの書物、その書き手あるいは読み手であるところの人物、そして、そのすべてが生み出された時代相に目を凝らすことを大前提としたい.。
国文学(古代・中世・近世・近代)・国語学・漢文学というすべてに、各界第一線の研究者を専任として配し、かつ西欧との比較文学といった関連領域も開講、それらの授業が自由に選択できる。これは高等学校の国語教員に問われる基礎的かつ広範な学識を身に付けることを期するとともに、専門の研究者として狭い領域にとらわれることなく、スケールの大きい肉太な学の担い手となることを目指すためである。後期課程ではさらなる高度なテクストクリティークと精密な読解力を体得し、やがては博士論文に結実させることを目標とする。
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