ゼミナール紹介
近代国文学セミナールⅡ(小泉浩一郎)

卒業論文は、4年間の大学生活の総決算であると考えています。3年生、4年生それぞれ10名程度の小規模なゼミですが、和やかな雰囲気の内に自然に日本文学の近代作品に対する基本的な見方や読み方、問題意識、方法などが身について行けるよう配慮したいものだと考えています。
3年生には伝統的に夏目漱石『三四郎』の注解・解読を行って貰うことにしています。<青春>や<愛>をテーマとするこの作品ほど、今日の学生諸君にとって身近なものはなく、世界文学的にも珍しい描写法が採られているからです。4年生には各自の卒論テーマに従って、作品の読みを深めるよう期待しています。先行文献に負けないよう、全ての解答は作品の裡にこそある、と常に示唆しております。合間合間に私の講義を差し挟んでいます。
年度毎に違いますが、学生諸君主催のコンパも盛んで、文学散歩には東京大学を中心とする本郷台地を選びました。作品における空間の問題を通じて、ヨミの根幹に関わる発見も期待できるからです。研修旅行や研修合宿の企てもあったのですが、昨年度は実行できませんでした。今年は是非と思いますが、さて如何になることでしょう。
吉本ばななやビジュアル芸術との関わりなど新しい感覚での接近もあるこの頃ですが、それらは大いに学生諸君の自発的で主体的な掘り下げに待つ処が大きい、と思います。
