古代国文学ゼミナール
国文学基礎演習Ⅰ  | 演習 | 講義
 

国文学基礎演習Ⅰ  和文素読(古代~中世)


 一年生の必修科目である国文学基礎演習(Ⅰ~Ⅳ)は、「素読(そどく)」、つまり文章の朗読と暗誦を中心とする授業です。和文の中世以前・近世以後、漢文の韻文・散文の4科目があり、前期(4~7月)に2科目、後期(9~1月)に2科目履修します。

 古典の文章を声に出して読むことによって、言葉や文体をより深く理解することが出来て、大学四年間における国文学・漢文学・国語学の学習と研究のための基礎体力づくりになります。

 この授業は、国文学科一年生のクラスをイ組・ロ組の半分に分けて、少人数で行います。まさにお互いの「声が届く」授業です。学生それぞれの理解の度合いなどを確認しながら、授業をすすめて行きたいと思っています。

  和文素読(古代・中世)で読む作品は、『万葉集』、『古今和歌集』『源氏物語』『方丈記』『平家物語』など、国文学科でなくても読んでおきたい「古典」ばかりです。高校ですでに名文をたくさん暗誦していた方もいるかもしれませんが、何度も声に出して読むたびに、文章の味わいが増していくことと思います。古典好きの学生には、黙読では味わえない言葉や文章の滋味を堪能してもらい、少々苦手意識がある学生には、初めは意味がわからなくてもかまわずに、まずはのびのびと言葉のリズムを楽しんでほしいと思います。

 今年は、『万葉集』の巻頭歌から読み始めました。雄略天皇の歌です。

籠(こ)もよ み籠もち ふくしもよ みぶくし持ち
この岡に 菜摘ます児 家告らな 名告らさね
そらみつ 大和の国は おしなべて 我こそ居れ
しきなべて 我こそいませ 我こそば 告らめ 家をも名をも


(巻第一、一)

 初めは「コモヨミコモチ?モコミチ?」などチンプンカンプンの様子の学生もいましたが、繰り返し読んで歌意を把握するにつれて、朗読の声もそろうようになり、全員が暗誦できるようになりました。

 「高校での勉強は、受験勉強となってしまい、深く味わうことができなかったけれど、この授業では一作品ずつゆっくりと学んでゆくことができるのでとても良いと思う」 「先人の遺した最高傑作に触れることのできるこの授業は、文学少年少女だけでなく、日本について興味のある人はぜひ受けるべきです」 「この授業はみんなで声をそろえて万葉集などを詠み、日本の文学に積極的にふれることができます」 学生たちからこのような声をもらっています。

イメージ  現代語訳する、品詞分解をするなどは高校までの勉強でおこなってきたことだと思います。大学生としては、そうした基礎的な勉強に加えて、例えば、「なぜこの歌が、『万葉集』二十巻四五一六首の一番初めに置かれたのだろうか?」などといった問題意識を持つことが大切だと思います。
二年生以降の専門的な学習によって、問題意識は、『万葉集』の本文校訂や訓釈、語彙語法、出典の研究などに広がっていくことでしょう。四年間たっぷりと、国文学の世界に浸り、楽しんでほしいと思います。 

  (2006年度担当・小林)