文芸学部

イタリア語攻略ガイド——勉強は楽しい!——

イタリア語担当非常勤講師 安達 万里子

(ヨーロッパ文化学科 1990 年度卒業)
(大学院ヨーロッパ文化専攻博士課程 1999 年度卒業)

大学の楽しさと申しますと、まず思い浮かびますのは“自発的に学ぶ:研究する”喜びでありまして、“強いて勉めて学習・暗記”がメインとなる第二外国語の、それも初級イタリア語の担当者が何か主張するのもどうかと思うのですが、二外の勉強だって面白いんですよ!

大抵の方にとって初めて学ぶ “英語以外の外国語”であるイタリア語。知らない単語のオンパレード。見たこともない構文。名詞に性がある? 形容詞の性・数一致? 一つの動詞の活用表が辞書の見開き1ページ分! 全く文法を知らないと、わからない単語を辞書で調べることもできないって…?  “チャーオ、イタリアーノ!”と親しみやすく手招きしていたイタリア語が、いざ腰をすえて勉強しようと思った途端、難攻不落の要塞のようなとっつきにくさで初心者を威嚇してきます。

ここで教員の出番です。最初につまづいて勉強を続けるのが嫌になってしまわないよう皆さんのモチベーションを高め、RPGの攻略本よろしくイタリア語攻略のお手伝いを致します。辞書・文法書などの有効なアイテムを揃え、その使用法を会得し、勉強して経験値を上げ、初めて見る文字列の意味を解き明かすカタルシス!それを味わって頂くのです。

例えば Divertiamoci!という文字列に日本語訳をつけ、それを暗記して使うだけなら旅行ガイドの巻末付録の方が役に立つでしょう。しかし大学の授業で習うように「-iamoという要素は、イタリア語の直説法現在・命令法・接続法現在に共通する一人称複数の語尾であるから、少なくともdivertiamo- 部分は動詞の活用形。考えられる原形は *divertare, *divertere, divertireのあたり。」 →(辞書を引く) → 「辞書には他動詞 divertireが見出し語として載っているが、再帰動詞divertirsiもある。ciという要素は場所の副詞か人称代名詞 だが、このテの小辞が動詞の活用形に結合されているのは命令法の時だけ。文脈から見て、ciは再帰代名詞一人称複数形。よってdivertiamociは divertirsiの命令法一人称複数: ”一緒に楽しみましょう♪”」と推理・調査・分析していく過程はパズルのような面白さです。(少なくともこれだけ苦労して解読した文章は二度と忘れません!) また同じ見出し語を直説法近過去一人称単数に活用し Mi sono divertita tantissimo!「私(女性)は、大いに楽しんだ。」という作文でイタリア人男性をニンマリさせることも可能となります。文例を応用できるのは、基礎を学んだ人だけに許される特権です。

こういった知的楽しみへの道筋を示すにあたり外国語教員の果たす役割は大変重要だと思っております。母校である成城大学の後輩達を少しでもお手伝いできれば、それが私の幸せなのです。

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