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  • 2016.02.25

    文芸学部講演会「イスラエルにおける漫画・コンテンツの状況と表現の意味」を開催しました

2016年2月25日(木)、成城大学文芸学部講演会「イスラエルにおける漫画・コンテンツの状況と表現の意味」を開催しました。
(後援:駐日イスラエル大使館、協力:国際交流基金)

講演者は、第9回国際漫画賞受賞 The Divine の作者、Baoz Lavie 氏とAsaf Hanuka 氏。外務省が主催する明日の授賞式を前に来日され、急遽、成城大学にお越しいただけることになりました。
ニューヨーク・タイムズ紙でベストセラー、海外の様々なメディアでベスト作品リストに選出された The Divine は、Baoz Lavie 氏がストーリーを、双子のご兄弟の Asaf Hanuka 氏とTomer Hanuka氏(来日されませんでしたが)が作画を担当され、完成には5年もの歳月が費やされているそうです。

作品紹介や作品に込められたメッセージ、その創作過程やアイディアの源などについて二人にご講演いただいた後、ジャパニーズポップカルチャーに造詣の深い Roland Kelts 氏もゲストコメンテーターとして加わり鼎談、さらに来場者との質疑応答など、大変興味深いお話が交わされました。

The Divine には10歳の双子が内戦を率いているという設定が出てきますが、そのアイディアは、実際にミャンマーの内戦に参加していた双子の子供のドキュメンタリーだったそうです。大きな武器を持った小さな子供の姿に、子供の持つinnocence と dangerous の二面性を見出し、さらに作者自身も双子であることも重なったとか。

さらに、「イスラエルでは日本の漫画は少ないが、大友克洋作品からはとてもインスピレーションを受けている」「作品中の風景などの描写は北斎を参考にした」など、日本文化からの影響についても言及し、「イスラエルで宮崎駿作品に親しんでいたが、長らく日本の作品とは知らなかった」というお話しも。

カルチャーに関するお話しの先に、イスラエルの国状も見えてきます。
「イスラエルの子供たちにはファンタジー的なヒーローはあまり受け入れられない。なぜなら、戦場というリアルがすぐそこにあるから」
「日本では精神的に子供のまま大人になれるかもしれないが、イスラエルではあり得ない」
「かつて平和は夢だった。しかし今は妥協するしかない」
とても印象的な言葉でした。

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