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中古国文学ゼミナール

中古国文学ゼミナール

古代国文学ゼミナールは、時代的には古代後期すなわち平安朝の文学を研究対象としています。具体的には、源氏物語や伊勢物語、あるいは古今和歌集や枕草子など、平安朝の歌・文を読むことになりますが、それは一つの手段であって、本来目ざすところは、作品を「よむ」ことを通して文学の真髄、人間の真実に迫ることにあります。

「よむ」ということは簡単なことのようですが、いざ本格的に「読む」ということになると事はそう簡単なことではありません。言葉の研究、書物や文字の研究、時代や文化の研究、そして何より人間への洞察と、様々の勉強が必要です。このゼミナールでは、作品の精読を通して、「よむ」ことの可能性を追究し、その深く豊かな世界を体験することを目ざします。作品の一語一語、一字一字の背後に広がる深く豊かな世界は、この上なく美しく、それに触れることはこの上なく楽しい体験です。

ここ十数年は、伊勢物語を初段から精読しています。初段一段を読むのに、一年かかりました、以来、全125段を読み通すのに、十数年を費やしました、なんとスローペースな、と驚かれるかも知れませんが、それだけのことはありますし、それだけの時間が必要なのです。作品とじっくり対峙することは、「よむ」側の世界をも深く豊かなものにしてくれるようです。

このゼミナールではまた、毎年5月に京都の葵祭を見学することを恒例の行事としています。「百聞は一見にしかず」。風薫る季節に、王朝絵巻さながらの祭りを体感することは、何にも代え難い勉強です。このゼミナールでは、このように折に触れて感覚を磨き、感性を豊かにすることも心掛けています。