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  • 2019.01.16

    経済学部神田ゼミ、2018年度産学協同研究の成果発表会(全5社)を開催

 成城大学経済学部経営学科神田範明ゼミと企業との産学協同研究の最終発表会が昨年12月に相手先企業で開催されました。
 神田ゼミ3年生全員が5つの有力企業と2018年5月から12月までの8ヵ月間(月2回のペースで)、教授の指導の下で企業の企画・開発担当の方々と濃密なミーティングを行い、活発なディスカッションとデータ解析を重ね、どのチームも優れた商品の最終提案にまで至りました。いずれも神田教授オリジナルの、科学的かつ実践的な方法「Neo P7」に基づいて遂行した商品企画プロジェクトで、下図はその概念図です。詳細は神田ゼミホームページをご参照下さい。

商品企画プロジェクト概念図

 5社各1テーマずつ(計5テーマ)実施し、全テーマにおいて仮説発掘のための調査、アイデア発想、大規模なWebアンケート調査(各2回全10回)を実施し、高度な解析手法を駆使して魅力的な提案を行いました。発表内容もさることながら、堂々とした(原稿を一切読まない!)わかりやすいプレゼンテーションはどの企業の方々にも大変に好評をいただきました。

 発表順に紹介します。なお、発売を想定したリアルな商品企画ですので、内容はごく概略のみとし、画像の一部は消去してあります。

1.株式会社三鷹ホールディングス(12月5日):生分解プラスチック商品

一昨年の連携先、
 株式会社ボルケイノ(制作中)
昨年の連携先、
 株式会社エクスプロア 株式会社臥龍は共に東京都小金井市に本社を置く同系列のベンチャー企業で、(株)三鷹ホールディングスはこれらの統括会社です。
 連続3年目(!)となる本年度は「生分解プラスチック商品の企画」をテーマに実施しました。
 世界的に大きな環境問題の一つにプラスチック廃棄物があります。同社はその対策として、「キャッサバ」(タピオカの原料となる芋)のデンプンを用いた生分解プラスチック(微生物で自然に分解されるプラスチック)に着目し、商品開発と普及を目指しています。可燃物として処理でき、廃棄する時に一切有害物質を排出しない画期的な素材です。ただし長期使用には向かないため、今回は使い捨て(または短期使用)商品に限定して神田ゼミと産学協同プロジェクトで応用商品の企画を実施しました。
 神田ゼミ3年生5名(男子1名、女子4名)と企業側2名で研究を行い、広範囲な生活用品カテゴリーで有用な仮説案約60件を創出し、その内実現可能性の高い20件の仮説案を抽出しました。徹底的なWebアンケート調査(回答者1,000名)を行い、神田ゼミ得意のデータ分析を駆使して最終的には大量需要が見込まれる食品系の2案を提案し、同社から高い評価をいただきました。下は同社近辺の公共会場における神田ゼミ学生の発表風景と社員の方々との記念写真です

2.株式会社日立ソリューションズ(12月19日):位置情報活用アプリ

 株式会社日立ソリューションズは東京都品川区に本社を置く、日立グループの情報・通信システム事業の中核を担うIT企業で、最先端のIT技術をベースに広範囲な企業の課題解決に貢献しています。
 昨年度も2件の研究を行いましたが、今年度は(GPSを用いた)位置情報技術を応用したアプリというテーマで研究を実施しました。
 神田ゼミ3年生5名(男子1名、女子4名)と企業側3名で研究を行い、412件もの仮説案を創出し、有用な13件に絞り込みました。インタビュー調査で消費者の意見を聞き、更に昨年同様に大規模なWebアンケート調査(予備調査10,000名、本調査500名)で関心のある方を抽出し、精密なデータ分析をいくつも重ねました。最終的に優位性・現実性の高い2件の提案を行い、同社から高い評価をいただきました。以下は同社会議室における神田ゼミ学生の発表風景と、社員の方々との記念写真です。

3.株式会社はせがわ(12月21日):新規事業・店舗開発

 株式会社はせがわは仏壇・仏具・お墓など「供養」のための商品を扱うわが国トップの企業です。
 同社のホームページに「はせがわは現在、「レボリューション」をスローガンに掲げ、新しい発想で全ての業務を見直し、新商品の開発、新たな出店形態など、新たな価値づくりに挑戦しております。」(代表取締役社長・江崎 徹氏)とあるように、新価値創造を目指しており、神田ゼミとの連携はその第一歩です。
今回は新規事業での店舗のコンセプトとそのサービス内容の企画を行いました。
 神田ゼミ3年生6名(男子2名、女子4名)と企業側6名で研究を行い、713件もの広範囲の仮説案を創出し、同社の方向に合った13件に絞ってインタビュー調査、更には大規模なWebアンケート調査(予備調査約9,000名、本調査500名)で分析を繰り返し、最高のプランを発表しました。
 同社ビジネスの新たな発展に寄与する極めて重要な業務であり、学生諸君も身の引き締まる思いで参加し、多くのことを学ばせていただいた8ヵ月でした。以下は同社・本社会議室における神田ゼミ学生の発表風景と、社員の方々との記念写真です。

4.東芝ライフスタイル株式会社(12月25日)

 東芝ライフスタイル株式会社は、神奈川県川崎市に本社を置き、家電商品を製造販売するメーカーで、東芝ブランドの冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、洗濯機、掃除機、電池など広範囲の生活家電商品を扱っています。今回は冷蔵庫(新製品)の企画依頼を受け、神田ゼミ3年生5名(男子2名、女子3名)と企業側7名で研究を行いました。
 冷蔵庫は長年にわたり多くの改良が施された成熟商品ですが、ユーザーに冷蔵庫内の写真を提出してもらう「フォト日記調査」を始めとした多くの手法を用いて、約100件の新規仮説を創出することができました。実現可能で今回の趣旨に合った20件に絞ってインタビュー調査、更には大規模なWebアンケート調査(予備調査約10,000名、本調査500名)で評価・分析を繰り返し、新たなアイデアを満載した魅力的な冷蔵庫を提案することができました。以下は同社・本社会議室における神田ゼミ学生の発表風景と、社員の方々との記念写真です。

5.株式会社ニトムズ(12月26日)

 株式会社ニトムズは東京都品川区に本社を置き、日東電工(Nitto)グループの一員として一般消費者向き商品の製造販売を行っている会社です。同グループの得意とする「粘着」の技術を活用した様々な生活用品を扱っています。特に有名なのが掃除用品の「コロコロ」ですが、肌に優しい医療用テープ「優肌絆(ゆうきばん)」など、多様な分野の粘着テープを開発し、販売しています。
 今回は粘着テープ関連新商品の企画というテーマで、神田ゼミ3年生6名(全員女子)と企業側3名で研究を行いました。生活上の種々の困りごとなどについてのアンケート方式で、学生・社員合わせて約800件もの膨大な仮説を創出し、事業の方向性や実現可能性などの見地から2つのカテゴリーで13件の有力仮説に絞り込みました。インタビュー調査、大規模なWebアンケート調査(予備調査10,000名、本調査500名)と詳細な分析を経て、2カテゴリー4件の実用性に富んだ優れた提案をすることができました。以下は同社・本社会議室における神田ゼミ学生の発表風景と、社員の方々との記念写真です。